〈music record〉に刻み込まれた2004年の音と空気感――今回リイシューされた4タイトルを紹介!

Shing02の鋭利なラップが斬り込むOP主題歌“battlecry”の収録もあって、4タイトルのなかでも当時から特に人気のあった一枚。同曲を手掛けたNujabesが計7曲、ファット・ジョンが10曲をそれぞれ提供し、大ネタが煌めく“how you feel”などメランコリックな後者の持ち味が物語の陰影をより濃く深く映し出している。ローリンド・アルメイダ使いの美麗な“aruarian dance”、ドラムンベース調のジャジーなループでMINMIが歌うエンディング曲“四季ノ唄”など、Nujabesの多彩な手捌きも印象的だ。

Nujabes, FORCE OF NATURE, FAT JON 『samurai champloo music record “impression”』 flying DOG(2004)
3組のトラックを収めた第3弾。FORCE OF NATUREの7曲はシャフト感のある“nightshift”や“death wish”で引き続きファンキーな活劇世界を追求し、SUIKENとS-WORDを迎えた痛快な“日出ズルSTYLE”(声ネタはNIPPS)もブチ込んでいる。ファット・ジョンの6曲では骨太な“Labyrinth Statistic”が熱い聴きどころ。Nujabesも王道のメロディックな“sanctuary ship”から4つ打ちの“world without words”まで躍動的に振り幅を広げた印象で、ラストにはMINMIが歌う“Who’s Theme”を収録。

TSUTCHIE, FORCE OF NATURE 『samurai champloo music record “masta”』 flying DOG(2004)
90年代から日本語ラップ・シーンを支えた顔役でありつつ、この頃には従来式の感覚から先へ進んでいた2組が参加。冒頭のダイナミックな“vagrancy”を筆頭とするFORCE OF NATURE作の9曲は、アタックの強い劇画タッチのビートがいま聴いても実に刺激的だ。一方のTSUTCHIEはより洗練された10曲を提供し、感動的なフィーリングを纏った“sincerely”やブラジリアン、洒落たジャズまで仕上がりも多彩。“YOU”で歌う新進シンガーのkazamiは前年の初作『Sprout』でもTSUTCHIEと絡んでいた。

丸ごとTSUTCHIE印のトラックで占められた、彼のビート・アルバムともいえる全18曲入り。それゆえにビートレスのピアノ曲“thank you”での静謐な導入から全体に穏やかな楽曲の連なる大らかな流れとメロウな統一感があり、“deeper than words”や“2 messages”などの美曲に至るまで他3タイトルとは異なる瑞々しい聴き心地が素晴らしい。23話〈一球入魂〉のみのEDテーマだった爽やかでラヴリーな“FLY”では東里起(Small Circle Of Friends)のソフトな語り口が不思議な余韻を残す。