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初の生バンド録音で至った完成形

――なるほど。続いて“また会いに行くから”。これもXinUさんと武藤さんと松下さんによる作曲で、メロディがすごくいいですね。。

「初めにどんな曲をアルバムに入れたいか松下さんと話したときに、可愛い曲を入れたいって私が言って。それで武藤くんを呼んで、可愛いイントロを弾いてくださいってお願いしたんです。可愛くてハッピーな曲を作りたかった。

どうしてかというと、台湾でライブをしたときにお客さんがみんなハッピーな笑顔で、手でハートを作って見せてくれたりして、それが嬉しかったから。みんなに会えた喜びを可愛らしい曲にしてお返ししたいと思ったんです。〈また会いに行くからね〉って」

――〈ララララ〉と歌う部分、それにピアノやトランペットの音から喜びが伝わってきます。

「メンバーと、せーので録ったんですよ。その場でライブをしているイメージで。ドラムの大津(惇)さんだけ予定が合わなかったんですけど、大津さんも信頼している守真人くんに叩いてもらって、バンドサウンドの完成形みたいな仕上がりになりました。初の生バンド録音です」

 

みんなと繋がっている感覚を信じて歌っていきたい

――“余裕綽々”“Hora Hora”とEP収録曲が続き、8曲目は“つながっていて”。アルバムのなかで最も興奮したのは“バタフライ”ですが、しみじみと〈いい曲だなぁ〉と感じたのはこの“つながっていて”。特に好きな曲です。

「嬉しい……。私も大好きで。これ、デモで歌いながら泣いてしまったんです」

――どうして?

「ライブでみんなと繋がっている実感を持つことができたり、あと制作期間は誰にも会えないけど会えなくても繋がっていると思える人がいたり、その〈繋がっている〉という事実にすごく励まされながら日々生きているって思うことの多かった1年で。

それを幸せに感じながら書いたのが“また会いに行くから”なんですけど、より心の内を曝け出したのがこの曲なんです。だから詞を書いてデモを録っているときに涙が出てきて、歌えなくなるくらい……。今でもこれを聴くとそのときの感情がよみがえってくる」

――涙の理由はわかります?

「正直に自分の弱さを書いたからだと思う。でもそれを書けたのは、EPのツアーで聴いてくれる人たちを信頼できたからなんです。東京でも、台湾でも。東京でやったとき、内本さん(インタビュアー)が〈お客さんを信頼しながら歌っているのが感じられてよかった〉って言ってくれたじゃないですか。あのときに自分でも〈あ、そういうことなんだな〉って思って」

――ライブレポートにもそんなことを書いた覚えがある。

「思い返すと確かにみんなを信頼して歌ったところがあのツアーでは強くあって、だから歌詞もより正直に書けるようになったというか。今までも正直に書いてきたつもりだけど、リスナーの方から〈こういう辛いことがあったときにXinUさんの曲に救われた〉といったメッセージをいただいたりして、リスナーも弱さを見せてくれているんだから私も正直に弱いところやかっこ悪いところも見せていこうと。そう思って今の自分を出し切った曲なんです」

――この曲は弱さに向き合った上で、どうありたいかを述べている。〈“信じること”を ただ信じてみたいもっと〉という一節があるけど、それこそが成長であり進化じゃないかと感じます。

「その一節が一番言いたかったテーマなんです。ライブでみんなと繋がっている感覚を私は信じて歌っていきたい。そうすると、もっと気持ちをオープンにできる気がするから」

――現代のジャジーなR&Bのように、つんのめるビートもかっこいいですね。

「これも守真人くん。ミックスのときにドラムのかっこよさに感動して、ドラムを大きくしてもらったんですけど、あとで冷静に聴いたら、これだと歌が聴こえないねって(笑)。最後にトランペットとトロンボーンが入って、さらに心に響く仕上がりになりました。アルバムのなかで一番思い入れが強い曲かも」