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カーティス・メイフィールドの歌は信じがたいほど素晴らしい、似た存在がいない

――4枚目のチョイスはカーティス・メイフィールドの『Sweet Exorcist』(1974年)です。緊迫感のあるニューソウル期の作品群のなかでは、メロウさが際立つ内容ですね。

CURTIS MAYFIELD 『Sweet Exorcist』 Curtom(1974)

「もしも、自分のフェイバリットシンガーをどうしても選ばなくちゃいけないのなら、ニーナ・シモンとカーティスで迷った挙げ句、最後はカーティスに決めるだろう。彼の歌声は信じがたいほど素晴らしい。似たような存在がいないんだ。ソフトでありながらハードヒットもできる、その両方を兼ね備えた歌い方はとても難しい。彼は大声でシャウトしたりしない。だけど、エネルギーに満ちているし、その声があるからこそ音楽にすごく緊張感が生まれる。

そして、彼のソングライティングも最高。このアルバムの曲はどれも手に負えないほど素晴らしい。“Kung Fu”とかね、ここに入っているヴァイブスを自分のものにしようと何回も聴いた。他の曲も、ただただ最高なんだ。“To Be Invisible”もフェイバリットだな。危うくチープになりそうなギリギリのラインでソウルフルだし、最高の甘さもある。

アルバムジャケットのデザインも大好きだね。バックミュージシャンのクレジットが見当たらないのが残念だけど、彼を責めるつもりはない。だって、偉大なるカーティス・メイフィールドがここにいるんだから」

 

ヤビー・ユーとキング・タビーのコンビは最良のダブ

――そして、最後の5枚目は、ルーツレゲエに戻ります。ザ・ヤビー・ユー・ヴァイブレーションの『Deliver Me From My Enemies』(1977年)。

THE YABBY YOU VIBRATION 『Deliver Me From My Enemies』 Vivian Jackson (Yabby You)(1977)

「ヤビー・ユーは、僕が大好きなレゲエミュージシャンのひとりなんだけど、実はこのアルバムは初めて見た。というか、ヤビー・ユーのアルバム自体、初めて見たかも。このアルバムのタイトル曲とか、いくつかのトラックは知ってるけど。この取材後に時間があったら知らない曲をチェックしたいくらいだよ。

ヤビー・ユーの曲の作り方が好きなんだ。メロディもハーモニーもとても特殊で、僕の好みを突いている。彼はすべてのハーモニーを自分で歌っているんだけど、選んでいる音階はとても変わってるし、アレンジも変わっている。

彼がキング・タビーと作り出したサウンドには特別な個性があるんだ。キング・タビーの名前がこのアルバムにはクレジットされているから、きっと最高なはず。ヤビー・ユーとキング・タビーのコンビネーションは、ダブミュージックにおける最良のもの。少なくとも僕が聴いてきたダブのなかでは、もっとも面白いものなんだ。

ヤビー・ユーはとても面白い可能性を持ったミュージシャンだった。だけど、死に様は本当に悲しいものだったんだよね。栄養失調みたいな状態で人生を終えてしまった」

――良いダブミュージックを探すコツは?

「まず誰がエンジニアか? そしてミュージシャンは誰が参加しているか? どこでレコーディングされたのか? もしもチャンネル・ワンかブラック・アークで録られたサウンドなら、クオリティは保証されている。

でも、僕が持っている判断基準なんてそれくらいのもの。とにかく聴いてみて、いいと思うか試してみるんだ。ただ、このヤビー・ユーのレコードは、気軽に買うには高額だけどね(笑)」