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年齢で測っちゃダメ

――ツアー先で印象に残っている場所はありますか?

石塚「別府、尾道。町の味わいがはまる」

山本「別府はそうやな。町も最高やし、友達もおるし」

――伊奈さんは?

伊奈「おれも別府ですね。町並みもよかったけど、あの風呂が好き。もともと天井が高い温泉に入りたかったんだよね」

石塚「別府で風呂入ったっけ?と思ったけど、おれ、快活(クラブ)しか行ってないわ」

伊奈「朝でもええから温泉行ったらええやん、って言ったのに」

山本「まだ抜けてへんねや。なんで風呂行かんの?」

伊奈「快活にも温泉あるのかと思った(笑)」

石塚「温泉あったで。ライオンからぶわーってお湯が出てくるシャワー室が」

山本「別府はおれ、住めるな。お風呂、映画館、ライブハウスがあったら暮らせる」

――別府といえば、THE HOLDENSというバンドがいて……。

石塚「あ~、名前聞いたことある」

――うちでリリースもさせてもらってるんですが……(笑)。

石塚「CDも買いましたよ、渋谷で」

山本「MVも作りましたよ」

――そして何度か共演もしました(笑)。そのTHE HOLDENSを筆頭に、京都のゾッキ、大阪のThe Dahliaとか、年齢が一周り以上若いひとたちと共演することも増えました。彼らから刺激を受けることはありますか?

石塚「先輩後輩感はまったくないね。ライブをすると、全員先輩に見えるもん、マジで。さっきの周年とかと一緒で、年齢とかで測るからダメ」

山本「おれは、かわいくてしゃあないですね。お金を一銭も払ってほしくない」

石塚「おしっこ行きたい」

――どうぞどうぞ。

 

ビジネスとの相性はクソ悪い

山本「逆に、須藤さんはどう思ってるの? おれらのこと」

石塚「扱いやすいんじゃないの」

山本「扱いやすないやろ?」

――まあ、扱いやすいとか思ったことは一回もないですよ(笑)。

石塚「おかしなことはせんやん。何かを飛ばすとか」

――最低限の人としてのモラルや仁義はありますよね。ちゃんと筋は通すというか。

山本「おっさんやからね」

石塚「ただ、おれらはビジネスとの相性はクソ悪い。凸凹すぎて」

――ビジネスだと思ってやってないから。四国ツアーの収支なんて笑いながら計算しましたよ、赤字すぎて(笑)。

石塚「そのゆとりがあるかないかはデカいと思う。そういう精神的にゆとりがないレーベルだと、おれらなんて叩き出すでしょ」

山本「仕事のように収支見てバンドをやれってもし言われたら無理や。おれはできへん」

――ぼくはファン目線のほうが強いから……。

伊奈「しっかりやれよ!」

石塚「ケツ叩かな辞めるぞ!」

――勘弁してください(笑)。ツアーとは別で、今年はレーベルメイトであるバンド・家主と沖縄、そして台湾にもライブをしに行きました。2ndをリリースしてからは、初めて行く土地でライブをすることも多かったなと思います。

山本「それで言うたら、今年のライブで凹んだのが2回だけあって。それが台湾の初日と岡山。おれが気にしすぎなんかもしれへんけど」

伊奈「おれなんて、それ聞いて〈えっ、そうなんだ?〉って思ったけど」

――台湾に行ったあと、6~8月の3か月間はライブをしなかったじゃないですか。岡山についてはそういったブランクが原因で、うまくいかない瞬間もあったんですかね。

石塚「他人が怖いからね。そもそも論」

――遠距離になって頻繁に集まれなくなったことは特に問題ではない?

石塚「8年空いても大丈夫やけどな」

――そうでしたね(笑)。

伊奈「(店員に)芋ソーダください」

石塚「2つください」

店員「佐藤と黒霧がありますけど、どっちにしますか?」

石塚「黒霧で」

山本「でも岡山のときは、超右腕もTHE HOLDENSもちゃんとやってて」

石塚「マジで対バン全員うまい! これだけは声を大にして言っておきたい」

山本「ほんまにうまいね。おれらはNEWFOLKで1、2を争うぐらい下手やな」

伊奈「2がわからんよ」

――でも、演奏の下手さに対してメタ的になったらダメじゃないですか。

石塚「下手さを演じはじめたら終わりやで。おれらは必死やねん」

伊奈「めっちゃ必死でライブしてるよね」

山本「それがおもろいなあ、とは思う」

――みなさんにとっての台風クラブというバンドのおもしろみってなんですか?

石塚「(即答で)エレキバンド」

――それに尽きる?

石塚「尽きる。すべてのバンドが借りてるイメージ、それそのままがずっと最高」

――伊奈さんはどうですか?

伊奈「ちょっと言うの恥ずかしくなってきてるけど、まず演奏してて楽しい曲が多い。それと、ライブで遠くに行けるのが楽しい。あとおれは9月以降、個人的にポップじゃない活動をいろいろやってて。詩の朗読とおれのドラム、とか。もしそういう活動しかやってないひとだったら、説得力がなくなるような気がしてて。上手だったらまだええかもしれんけど、おれは下手くそだし。そういうときに台風クラブみたいなポップ……だと思うんですけど、ポップなこと、筋が通ってることを一個やってるから、おれにも説得力が出るなと思ってて。それはすごい助かってる。縋ってるって言ったら言い過ぎだけど……」

――自分にとっての軸になってる?

伊奈「うん。あってくれてよかったと思ってる」

――山本さんは?

山本「なんやろなあ……。伊奈と関東に来て、それで成り立ってるバンドは初めてやな。伊奈の話とも近いけど、屋台骨みたいというか」

伊奈「バンドやライブが楽しいってより、人生の凸凹に台風クラブが存在してることで、おもしろいことがいろいろ発生してるとは思うな」

山本「そのひとつにはなってる。感慨深さはないけど、10年前の〈よっしゃベースやるわ! なんやようわからんけど!〉っていう前のめりの、とりあえずやってみる姿勢を学んだのはあるかな」