COLUMN

ERIC HARLAND 『Vipassana』

2014年の現代ジャズの高い到達点

(C)Takehiko Tokiwa @Highline Ballroom, NYC

 

 チャールス・ロイド(ts)、デイヴ・ホランド(b)ら大ヴェテランのグループで、強い存在感を示すエリック・ハーランド(ds)。ジョシュア・レッドマン(ts)率いる“James Farm”や、 クリス・ポッター(ts)のグループでも大きな信頼を寄せられて活躍し、ポスト・ブライアン・ブレイドの呼び声も高い。ハーランドが満を持して結成したリーダー・グループ“Voyager” は、テイラー・アイグスティ(p)、ウォルター・スミスIII(ts)、ジュリアン・レイジ(g)ら俊英を結集した2011年のライヴ盤で、高い評価を獲得した。それから3年、グループはコア・メンバーに、ニア・フィルダー(g)、気鋭のシンガー、クリス・ターナー(vo)を加え、ドラスティックな進化を遂げた。ロバート・グラスパー(kb,p)、クリス・デイヴ(ds)らが完成させた、インプロヴィゼーションとヒップホップの融合を、さらに押し進めたカッティング・エッジなチューンから、鬼才テイラー・アイグスティ(p)の繊細なプレイが光るジャズ・オリエンテッド・チューン、メロディアスなジュリアン・レイジ(g)と、独特の空間を創造するニア・フェルダー(g)のプレイのコントラストが光るチューン。そして、クリス・ターナーのヴォイスが、随所でスパイスをきかせている。

ERIC HARLAND Vipassana Gsi(2014)

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 9/2のリリース・ライヴでは、さらにラッパー、ベースのハリッシュ・ラグハヴァンに加えて、“The Roots” のマーク・ケリー(el-b)も、数曲ゲスト参加した。

 タイトルの 『Vipassana』 とは、インドの古い瞑想法のことである。大ヴェテラン、中堅、若手の錚々たるアーティスト達の共演を経て昇りつめた、ハーランドの鮮やかな曼荼羅とも言うべき音楽の内的宇宙が、繰り広げられている。2014年の現代ジャズの一つの高い到達点といえる。さらなる高みを望むエリック・ハーランドの2015年も、進化が期待される。

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