実在の女性指揮者ザイア・ジウアニの半生を映画化。アルジェリア人の両親のもとパリに生まれ、人種差別、女性への差別や偏見など様々な困難に立ち向かいながら指揮者を目指し、出自や階級の垣根を超えた自身のオーケストラを立ち上げ、自分の夢をつかみ取る。この映画公開によって注目され、2024年パリ・オリンピックの閉会式では大会初の女性指揮者として、フランス国歌“ラ・マルセイエーズ”を演奏。これは一昔前の話ではなく、同時代を生きる現在の話。差別に負けない強い信念、音楽を愛する気持ちに心動かされる。チェリビダッケの厳しくも、正しい方へと導きながらの指導も印象的。