GIL SCOTT-HERON
いまなお絶大な影響力を誇る革命的な詩人の、最初期の傑作3タイトルがリイシュー!
革命といえば……まず連想されるタイトルは“The Revolution Will Not Be Televised”なのではないだろうか。いまなお有効な同曲で広く知られ、〈ラップのゴッドファーザー〉や〈黒いボブ・ディラン〉のような称号も相まって熱狂的な支持を集めてきた詩人のギル・スコット・ヘロンは、70年代に同時期のニュー・ソウルと共振した社会的な作風で脚光を浴び、そのメッセージ性とジャズ・ファンクを下地にしたサウンドの両面から、後のアシッド・ジャズやヒップホップにまで高い影響力を発揮しているレジェンドである。
シカゴ生まれの彼は70年にフライング・ダッチマンからライヴ盤『Small Talk At 125th And Lenox』(実際はスタジオでのライヴ録音)でデビューを果たす。コンガをバックにした緩急のあるスポークン・ワードの模様を実況中継したような内容の同作に対し、続く71年の『Pieces Of A Man』では鍵盤奏者のブライアン・ジャクソンを相棒にバーナード・パーディ(ドラムス)やロン・カーター(ベース)、ヒューバート・ロウズ(フルート)といった敏腕も迎え、グルーヴィーな演奏の起伏やメロディーな歌唱を備えて(いわゆる)音楽的な妙味を大幅に増加。72年の次作『Free Will』も含めて、同時代のマーヴィン・ゲイやカーティス・メイフィールドらに通じるプログレッシヴかつプロト・ラップ的なソウル名盤に仕上がっていた。
90年代以降はジャミロクワイやコモンらへの顕著な影響もあって偉人としての地位はもはや揺るぎなく、リチャード・ラッセルの制作した生前の最終作『I’m New Here』(2010年)も知られる彼だが、その原点となる名作たちにもこの機会に親しんでみてほしい。
5月7日にリイシューされるギル・スコット・ヘロンの作品。
左から、70年作『Small Talk At 125th And Lenox』、71年作『Pieces Of A Man』、72年作『Free Will』(すべてFlying Dutchman/Solid)