Page 4 / 4 1ページ目から読む

ボブ・ディランのような生活者の歌

――これ以上はしない方がいいってところで上手く抑えてるなと思いましたよ。では次いきますね。

B4 “Brillia”

「実はこのアルバムの中で、この曲が一番最初に出来た曲です。“公園にて”と同じころですね」

――先に佐内(正史)さんの詞があったんですよね。

「違うの、私の詞があって、それを佐内さんに見せたら、こういう方がいいんじゃないって送り返してくれて」

――言葉のやりとりがあったんだ。佐内さんとは『川本真琴 and 幽霊』(2012年)でもそうだったけど……。

「いつも何となく出来るんですよ」

――それを今回は朗読にしようと。

「その伴奏を横沢さんにやってもらって」

――そうそう、今年の2月、あと1曲録れば完成というところで、横沢さんとリれんを連れて川本さんの家に遊びに行ったんだよね。そこで急遽録音となった。家にあったギターを弾いてもらって。

「そうです」

――近所の公園で録るつもりだったんだけど、風も強くて寒かったんだよね。

「それで、ベランダで録りました」

――部屋にピアノもあったから、音を出してもらうぐらいのレベルだけどリれんに弾いてもらって。

「鈴も鳴らしてもらいました」

――絶妙なタイミングでね。

「金野さんもバイオリンで入ってくれて」

――一応、持っていったんです。5メートルくらい離れたマイクが拾うか拾わないかの位置で音を出して。

「全体的に良かったです」

――どうしても風の音も入ってしまったけど。

「ミックスの時に大野さんに取ってもらいました。車が通る音は残しましたかね」

――ずいぶんテイクを録りましたよね。

「確か12回」

――しかし佐内さんの言葉のセンス、最高ですよね。

「薄暗いところにいる、みたいな。ただ〈暗い〉じゃなくて、すごく落ち着くというか」

――薄明かりのような?

「そういう全体のイメージを見せてくれて、歌詞が気持ちいいんですよね。最初に書いた私の歌詞はそうじゃなかったんですよ。それを佐内さんが直してくれて」

――では、最後の曲です。

B5 “いっさいはどこに戻っていく”

「これはマルコ・シエスタさんと私の得意なバージョンですね」

――作詞が川本さんで作曲がマルコさんです。

「最近出来た曲なんです。マルコさんには、いつも作品を作る時に1曲ぐらい書いてもらうんですけど。即興みたいにギターを弾きながら曲を作るんです」

――マルコさん、きっとボブ・ディランが好きだよね。

「ボブ・ディランみたいな感じで作って、とは言いました。歌詞は私が同時進行で書きました」

――気負いのない、いい歌詞ですよね。

「今、この(インタビューを収録している)喫茶店の窓の外を見て思ってたんですけど、普段の生活してる人たちの歌だなって。自転車で買い物に行ってる人とかを見てると、すごい合うなと思いました」

――では、最後に、ジャケットに使った有本(ゆみこ)さんの写真、川本さんからショートメールで届いたとき、かなり感じ入ってしまって。感動とは違うんだけど。

「可愛い写真ですよね」

――写真データが50KBしかなくてジャケットには使えないと思いましたが、上手くはないけど、いい写真なんですよ。だから、何とか形にしました。

「有本さんとはいい友達で、心から接してくれるんです」

――この写真は、その関係性で成り立ってるんですね。

「会うとすごい気持ちが和むというか、共感できる人が一緒にいてくれるっていう感じがして」

――有本さんが作る服、川本さんに合いますからね。

「そのセンスが100パーセント入ってる服だったりするし。この写真もトイカメラで撮ってもらったんですけど、センスがやっぱりいいですよ」

――有本さんの写真やアートワークを含めて、カセット向きのアルバムになったんですよ。CDも配信も要らないなって。

「なんか今ちょっとメロディーを思いつきました」

 


RELEASE INFORMATION

川本真琴 『Lovely』 MY BEST!(2025)

リリース日:2025年7月2日(水)
品番:MYRD162
仕様:カセットテープ
価格:2,805円(税込)

TRACKLIST
SIDE A
1. Radio
2. 公園にて
3. なちゅら
4. 君とフランベ
5. Bonbon

SIDE B
1. Mist
2. お花のジュース
3. ピアノ二重奏
4. Brillia
5. いっさいはどこに戻っていく

A1 Radio
作詞・作曲:川本真琴
Electric Guitar:yagi hiromi

A2 公園にて
作詞・作曲:大野志門, 川本真琴
Programming:大野志門

A3 なちゅら
作詞:川本真琴 作曲:テライショウタ (GOFISH)
Acoustic Guitar:テライショウタ(GOFISH)

A4 君とフランベ
作詞:松永天馬 作曲:川本真琴 編曲:高慶智行
Electric Guitar & Programming:高慶智行

A5 Bonbon
作詞:emily hashimoto 作曲:川本真琴
Programming:emily hashimoto

B1 Mist
作詞・作曲:川本真琴
Programming:植野隆司
Drum Programming:黄倉未来

B2 お花のジュース
作詞・作曲:川本真琴
Acoustic Guitar:横沢俊一郎

B3 ピアノ二重奏
作曲:川本真琴
Piano:大野志門, 川本真琴

B4 Brillia
作詞:佐内正史, 川本真琴 作曲:横沢俊一郎
Acoustic Guitar:横沢俊一郎
Piano, Bells:リれん
Violin:金野篤

B5 いっさいはどこに戻っていく
作詞:川本真琴 作曲:マルコ・シエスタ
Acoustic Guitar:マルコ・シエスタ

Vocal, Reading(B4):川本真琴 except A2 with 大野志門, A3 with テライショウタ(GOFISH), A4 with 松永天馬 & B3
写真:有本ゆみこ(SINA SUIEN) デザイン:ダダオ 歌詞カード付き

 

EVENT INFORMATION
川本真琴「Lovely」発売記念トーク&サイン会

開催日時:2025年7月3日(木)19:00(集合・入場:18:40)
場所:タワーレコード新宿店 9F イベントスペース
店舗情報:https://tower.jp/store/Shinjuku
出演:川本真琴
内容:トーク&サイン会
詳細:https://tower.jp/store/event/2025/07/055002k

 


PROFILE: 川本真琴
1996年、ソニーミュージックよりシングル“愛の才能”でメジャーデビュー。2000年代初めよりプライベートオフィスを設立し、メジャー/インディーにとらわれない活動を続けている。2019年には9年ぶりの新作で4作目となるオリジナルフルアルバム『新しい友達』を、2023年にはドイツのバンド、ホッホツァイツカペレが全面バックアップした5作目『ひかり』をリリース。