「ぼくの少女ものの作品は、宝塚へのノスタルジアをこめて作ったものが多い」これは手塚治虫自身の言葉だ。昭和28年。戦後間もない頃。手塚20代の最後あたりから連載が始まった「リボンの騎士」。この時代に女と男、ふたつの心を持つ王女であり王子であるサファイアが男装の麗人として活躍する物語を描いていることに驚かされる。日本のストーリー少女マンガの第1号でもある本作をアニメで楽しんだ人も多いでしょう。OP曲がインストだったり歌詞があったり。現在入手困難な「双子の騎士」そして今回初めて単行本に収録される幻の「少女フレンド」版が併載され、さらに初公開の資料の中でも創作ノートが素晴らしい。