フジファブリック 『LIFE』 ソニー(2014)

シングル“LIFE”“ブルー”などを含む最新作。山内総一郎が秦の“ひとなつの経験”(2013年作『Signed POP』収録)にギターで参加、今年6月に行った対バン・ライヴではフジの“Light Flight”を共演するなど、交流も深い。叙情的なメロディーを魅力とする点も両者の共通項だろう。 *森

 

北園みなみ 『promenade』 P.S.C.(2014)

名曲“トレモロ降る夜”をはじめ、メジャー7thなどを使った洒落たコードワークにも定評のある秦。その影響源には、キリンジや初期オリジナル・ラブなどがあるようだが、そういった音楽性を平成生まれなりのセンスで鳴らすのがこの北園だ。ちなみに彼もまたジェイムズ・テイラーのファンとのこと。 *北野 

 

JAMES TAYLOR 『One Man Band』 Hear Music(2007)

ラリー・ゴールディングスのピアノをサポートに、御大がギターの弾き語りで“Fire And Rain”“You've Got A Friend”といった代表曲をたっぷり聴かせたライヴ盤。飾らない歌声とギター、すべてを大らかに包み込む空気は、まさに熟練の極み。秦の〈理想の弾き語り像〉がここに。 *北野

 

斉藤和義 『斉藤』 スピードスター(2013)

愛器は共にギブソンのJ-45、弾き語り公演を定期的に行うなど、ギターを持った歌うたいとしてのスタンスに近い匂いを感じさせる斉藤と秦。また、秦は“Dear Mr. Tomorrow”などの近作でひとり多重録音によるレコーディングに挑戦しているが、斉藤も本作ですべての楽器を演奏。 *北野

 

おおはた雄一 『ストレンジ・フルーツ』 トロピカル(2012)

芳垣安洋(ドラムス)、伊賀航(ベース)とのトリオ演奏を軸にした作品。アコギと歌を中心にしたオーガニックな音作りは、秦の音楽性とも近い。メイン・ギターはギブソンのLG-0。秦のJ-45と音色を聴き比べてみるのもおもしろいだろう。共に南波志帆に楽曲提供の経験あり。 *森

おおはた雄一の2010年作『光を描く人』収録曲“かすかな光”

 

JASON MRAZ 『Yes!』 Atlantic(2014)

秦のような〈アコギを持った美声の男性シンガー・ソングライター〉を求めて海外に目を向けると、思い浮かぶのがUSの人気者。女性4人組バンドのレイニング・ジェーンとコラボした本作は、女声コーラスをふんだんに織り交ぜた透明感のあるアコースティック・サウンドが、秦ファンにも刺さりそう。 *北野 

 

星野源 『Crazy Crazy/桜の森』 スピードスター(2014)

ダンサブルなサウンドと懐かしい手触りの歌が共存するシングル。曲の世界観によって〈素朴な弾き語り〉と〈構築された音作り〉を使い分けるスタイル、ギターの弾き語りだけで大規模のライヴを行う(星野は12月に弾き語りによる横浜アリーナ公演を開催予定)など、秦との共通項も多い。 *森

 

井上陽水 『弾き語りパッション』 フォーライフ(2008)

ジェイムズ・テイラーの穏やかさとはまた別の意味で、弾き語りの真髄を体験できるのが本作。ライヴの弾き語りコーナーからのベストテイク集で、“傘がない”など70年代の代表曲を中心に収録している。悪魔的な色気を孕んだ歌声から滲むパッションは、その場の空気を塗り替えてしまう強烈さだ。 *北野

井上陽水“氷の世界”のライヴ映像