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©Kevin Mazur

時の流れを楽しむこと

 ウォルター・アファナシエフとベイビーフェイスの共同プロデュースで仕上げられていた『Partners』に対し、今回はアファナシエフとピーター・アッシャーが全曲のプロデュースを担当。前回と異なるのは女性同士のデュエットがあること、またレジェンドだけでなく比較的キャリアの浅い世代とのコラボにも挑んでいることだろう。ロバータ・フラックでお馴染みの“The First Time Ever I Saw Your Face”を冒頭で歌うアイルランドのホージアともキャリアには開きがあるが、さらに世代を下るのはアイスランドの新世代シンガー・ソングライターであるレイヴェイで、ここでは彼女の『Bewitched』に収められていた“Letter To My 13 Year Old Self”をゆったり歌っている。なお、招いた相手のレパートリーを歌うという意味では、ポールとの“My Valentine”、スティングとの“Fragile”も同趣向だ。

 また、サム・スミスとの情熱的な“To Lose You Again”はサムとディスクロージャー&ジミー・ネイプスの作による美しいオリジナル。さらにマライア・キャリーとアリアナ・グランデを揃って迎えた“One Heart, One Voice”は、この奇跡的な組み合わせを想定してアファナシエフらが書き下ろしたもので、往年のマライアとアファナシエフの仕事を知る人には感動的な展開かもしれない。

 他にもティム・マグロウとの“I Love Us”では彼に合うカントリー風味も漂わせ、『Duets』(2002年)と『Partners』に続く3度目の招待を受けたお気に入りのジョシュ・グローバンとはデズモンド・チャイルド作の“Where Do I Go From You?”を朗々と披露。シールが唯一無二の歌声で迫る終曲“Love Will Survive”は、TVドラマシリーズ「The Tattooist Of Auschwitz」(2024年)の主題歌としてバーブラが歌唱していたナンバーだ。

 なお、アルバム表題にある〈Secret Of Life〉とは、ジェイムズ・テイラーと披露した“Secret O’ Life”から取られたもの。オリジナルは彼の77年作『JT』(ピーター・アッシャーのプロデュースだった)に収録されていたもので、同曲の〈生きる秘訣は時の流れを楽しむこと〉というテーマも踏まえてタイトルに冠されたものだそうだ。そんな格言を思い浮かべながら改めてアルバムに耳を傾けると、演者の実績や数字の凄さ、シチュエーションの豪華さなどを超えて、バーブラの楽しんでいる様子が伝わってくる。どうやら本作を堪能する秘訣もそこにあるようだ。

『The Secret Of Life: Partners, Volume 2』に参加したデュエット相手の作品を紹介。
左から、ホージアの2023年作の豪華盤『Unreal Unearth Unending』(Columbia)、ポール・マッカートニーの2012年作『Kisses On The Bottom』(Hear Music)、サム・スミスの2023年作『Gloria』(Capitol)、ボブ・ディランの2023年作『Shadow Kingdom』(Columbia)、レイヴェイの2023年作『Bewitched』(AWAL)、マライア・キャリーの2005年作の豪華盤『The Emancipation Of Mimi (Deluxe Edition)』(Def Jam/ユニバーサル)、アリアナ・グランデの2024年作の豪華盤『eternal sunshine deluxe: brighter days ahead』(Republic)、ティム・マグロウの2023年作『Standing Room Only』(Big Machine)、ジェイムス・テイラーの77年作『JT』(Columbia)、スティングの87年作の拡張盤『...Nothing Like The Sun (Expanded Edition)』(A&M/ユニバーサル)、ジョシュ・グローバンの2025年作『Gems』(Reprise)、シールの2017年作『Standards』(Decca)