NY出身で現在はLAを拠点にするミュートの秘蔵っ子の最新作。前作でレーベルの社長であるダニエル・ミラーから直々に〈暗黒波〉を注入された結果、バンド史上もっともエレクトロニックな作品となった。80年代末にミュート周辺で流行したEBMをいまに継承するかの如き電子ビートが美味。


ミュートに移籍して丸10年、NYの異能音楽集団はこの通算7作目でついに別次元へと旅立ってしまったようだ。身体に直で打ち込まれる強靭なビート、思考を停止させる奇怪なシンセ・リフ、呪文のようにも聴こえる淡々とした歌──エクスペリメンタル・ロックのその先には、〈エレクトロニック・デス・ディスコ〉と呼ぶべき暗黒舞踏世界が広がっていた! ファクトリー・フロアにヤラレた人、今年はこれですよ!