Revelation In Black
[ 緊急ワイド ]黒い波の誘惑
新しい波の洗礼を受けた音楽のなかでも、とりわけ妖しい翳りで人を惹き付けるもの。美しい黒に覆われたサウンドスケープを透かしてみると、そこに見い出せるのは……
★Part.1―Lillies and Remains 『Romanticism』のインタヴューはこちら
★Part.2―minus(-) 『D』のインタヴューはこちら
★Part.3―PLASTICZOOMS 『SECRET POSTCARD』のインタヴューはこちら
★Part.4―PLASTICZOOMS 『SECRET POSTCARD』のコラムはこちら
NYの気鋭レーベル、セイクリッド・ボーンズからUKニューウェイヴの総本山=ミュートへ移籍した現代ダークウェイヴ・シーンの歌姫。本作ではこれまでより開かれたサウンドを鳴らしつつ、シベリアに鬱蒼と生い茂る針葉樹林(タイガ)のような威厳に満ちた暗黒美学を貫いている。 *佐藤
NY出身で現在はLAを拠点にするミュートの秘蔵っ子の最新作。前作でレーベルの社長であるダニエル・ミラーから直々に〈暗黒波〉を注入された結果、バンド史上もっともエレクトロニックな作品となった。80年代末にミュート周辺で流行したEBMをいまに継承するかの如き電子ビートが美味。 *佐藤
キャプチャード・トラックス初の日本人アクト、Jesse Ruinsの一員のソロ名義。エヴィアン・クライストやヴァチカン・シャドウらにも通じるインダストリアルな世界観を軸に、叙情的な旋律やツイン・ピークスのサンプルなどを散りばめ、荒涼としたサウンドスケープを構築。 *佐藤
NMEが〈今年最高に素敵なパンク・アルバム〉と評した豪州ポスト・パンク・シーン出身の5人組。ミュート移籍後のワイアーに通じる硬派な実験性とベタなポップ感、有機物と無機物が入り混じったニューウェイヴ・サウンドが不思議と新鮮に響く一枚。 *佐藤
モロに初期4ADなジャケからして見逃すことのできない、オーストラリア発のニューカマー。アートワークと出自から想起するのはバウハウスやバースデイ・パーティだが、その期待にそぐわないゴシック・パンクが炸裂! 妖しいサイケ感も◎。 *土田
インダストリアルからニューロマまで、広義のニューウェイヴ・サウンドを敷いた暗黒ロックを25年以上に渡って鳴らし続けている彼ら。旧知のマニピュレーター陣と、森岡賢もピアノで参加した最新作のツアー音源が聴けるライヴ盤にも、淫靡な色気がたっぷり。 *土田
企画イヴェント〈BODY〉を通じてLillies and RemainsやPLASTICZOOMSと美意識を共有するバンドの新作は、ドローンに溶け出す金属質な悲鳴、暴力的に荒れ狂う重いオルタナ・サウンドと、〈ノイズ〉にその詩情を託した一枚。混沌の果てにあるのは、浄化の風景。 *土田
〈サーフィンに行きたーい!〉と歌っていたのも今は昔、解散の危機を乗り越えて放たれたNYのギター・ポップ・バンドの最新作。これまでのニューウェイヴィーなペナペナ・ギターにLillies and Remainsの新作とも共振するシンセ音や陰りのある哀愁が加わって、深みが増した印象だ。 *佐藤
PLASTICZOOMSのプロデューサー同様にこの兄弟ユニットのフロントマンも実機マニアで、ハード・シンセを駆使した音作りが何ともエレガント。ニューウェイヴのみならずクラウトロックや90sテクノにも振れながら、冷やかなロマンティシズムを放出している。 *土田
ダークでミステリアスなエレクトロ・ポップを鳴らすデンマークの女子3人組。仄かなアンビエンスやインダストリアル・ノイズも湛えて走る重低音のビートと、とことん無表情な歌声に身を浸していると、もれなくメランコリックな夜の帳が降りてくる。 *土田
アイスエイジを中心に盛り上がりを見せるコペンハーゲンのシーンと繋がりの深いユニットの最新作。トリオ編成になってプロダクションが格段に進化し、往年のニュー・オーダーを彷彿とさせる電子ポップを堂々と展開している。アイスエイジのメンバーも参加。 *佐藤
ポスト・パンク~ニューウェイヴ期の空気を放出する憂鬱サウンドと、イアン・カーティス似の低音(&ヘロヘロ)ヴォイスを擁する4人組。音のみならず、自身で手掛けるアートワークも含めてどうかと思うほど80sな質感で、適度な外しをスタイリッシュに演出する。 *土田