もはや現代音楽の古典的位置付けとしても名高いメシアンのトゥーランガリラ交響曲。1945年にボストン交響楽団が委嘱をしてから70年、オンド・マルトノを始めとする特殊楽器を編成に含んでいるにも関わらず今日まで異例の演奏頻度を誇っています。今年の上半期にショスタコーヴィチのシリーズを完結させたネルソンスと彼のプロジェクトでピアノ協奏曲の独奏を務めたユジャ・ワンが共演したこの“トゥーランガリラ”では、アメリカン・ノスタルジーを強く意識したようなシネマチックなサウンドが大変印象的。まるでガーシュウィンを聴くような抒情に訴えかけるような展開の妙は必聴です。