初演は2013年、同じ指揮者・ソプラノだがこちらはバイエルン放送響との録音。歌詞はポール・グリフィスの同名の小説が下敷き。シェイクスピアのオフィーリアの台詞から成り立っている。ハニガンは8度以上の跳躍、フラッター、3曲目の絶妙な声色(with a broken voice)など、超絶技巧を難なく歌いこなす。全体的に透明感に溢れ浮遊感満載、叙情的できき易いが、5曲目《ナウ・アイ・ドゥノット・マインド》で動きは激しくなり、各パート巧みにズラされた下降フレーズによって歌詞通り強烈な光に照らされる。その後は雨上がりのキラキラした水面のようなシーンとなり、ここが大変に美しい。ミレーのオフィーリアの絵画のように。

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