初演は2013年、同じ指揮者・ソプラノだがこちらはバイエルン放送響との録音。歌詞はポール・グリフィスの同名の小説が下敷き。シェイクスピアのオフィーリアの台詞から成り立っている。ハニガンは8度以上の跳躍、フラッター、3曲目の絶妙な声色(with a broken voice)など、超絶技巧を難なく歌いこなす。全体的に透明感に溢れ浮遊感満載、叙情的できき易いが、5曲目《ナウ・アイ・ドゥノット・マインド》で動きは激しくなり、各パート巧みにズラされた下降フレーズによって歌詞通り強烈な光に照らされる。その後は雨上がりのキラキラした水面のようなシーンとなり、ここが大変に美しい。ミレーのオフィーリアの絵画のように。
ソプラノのバーバラ・ハニガン、超絶技巧も難なく歌いこなしながら透明感溢れる歌唱聴かせたバイエルン放送響との新録音盤
Winter&Winter
BARBARA HANNIGAN , BAVARIAN RADIO SYMPHONY ORCHESTRA , ANDRIS NELSONS
『Hans Abrahamsen:Let me tell you』
Winter&Winter
2016