1971年、ビクターのアナログ・ステレオ録音が初CD・SACD化。録音当時、徳永二男は24歳、秋山和慶は30歳。まだ現代音楽だったハチャトゥリアンによるハイ・ヴォルテージで哀愁に満ちた音楽が、二人の俊才の卓越したテクニックによる、ひたすら高みを目指す情熱的な演奏で、生々しく、エネルギッシュに描かれている。サン=サーンスの“序奏とロンド・カプリチオーソ”は、デモ用のLPで出ただけの〈幻の音源〉。これが驚きの名演奏で、筆者はこれほど緻密で、優美で、迫力に充ちた同曲録音を聴いたことがない。ボーナス・トラックには秋山の貴重音源、ビセー“アルルの女”組曲が収録され、ファン必聴の一枚となった。