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ウキウキモヤモヤな恋愛

──2曲目の“気になる週末”からしてまず。情熱的だけど内気な男子……男子の心情ですよね? それとポップなソウルアレンジとの違和感というか、こういうアレンジだからこそ言葉が際立ってくるというか。

「久しぶりにこういうライトソウルっていうか、ソウルっぽいものを作ってみたので、なんか恋愛の歌がいいなと思っていろいろ考えたんですけど、はじめはウキウキする恋愛の歌にしようと思って。でも、自分自身、そんなに恋愛でウキウキしないなと思って(笑)。

それで、いままであまりやったことないけど、作詞家の方に頼んでみようかなと思ってお声がけもしたんですが。今回はタイミングが合わず、じゃあ自分で書くかって」

──これは、高樹さんのリアルな部分だったりするんですか。学生時代とかの。

「リアルな部分が出てるのかわからないけど(笑)、ちょっとどうなってんのかなコレ、みたいな感じでモヤモヤしてる恋愛。ウキウキモヤモヤな感じですね」

──リアルだったかはさておき、高樹さんの学生時代だったらあり得そうって思われる情景ですね(笑)。

「まあ、楽しく書きました(笑)」

──高樹さんらしい曲だなと思って、よい曲がいっぱいある今回のアルバムのなかでも、個人的にはこの曲がいちばん好きだったりします。これは昔から知ってる堀込高樹だ!……みたいな。

「そうですね、結構得意なパターン。弦楽のアレンジは、冨田恵一さんにお願いしてて。それもあって初期キリンジみたいな感じのテイストもありますし、そういえば最近こういうのやってないな、みたいなところもあります」

 

日本のトイレは綺麗、だけどインフラはぐずぐず

──そんな“気になる週末”があって、V6に提供していた“素敵な夜”。またこうやってセルフカバーしたのはどういう流れで?

「“どうして髭を?”っていう、LAGHEADSの曲に参加して、あれがとてもおもしろかったんです。で、あのテンポ感のものが欲しいな、ああいうファンキーな感じが……あっ、V6のあの曲、あれをああいう感じでやったらいいんじゃないかと思って。それで、レコーディングもLAGHEADSのメンバー、山本連くんと伊吹文裕くんと宮川純くんにお願いして」

※2024年2月に配信されたLAGHEADSのシングルで、堀込高樹は作詞とボーカル、コーラスアレンジで参加。

──おもしろいと言えば、次の“flush! flush! flush!”。トイレのことを歌ってるので、ヴィム・ヴェンダースの映画「PERFECT DAYS」からインスパイアされた曲なのかなと。

「そういうわけじゃないんだけど(笑)。よく言われてるじゃないですか、日本のトイレはクールだって。それをモチーフにして作ろうと思って、側はすごく綺麗だけど、インフラはぐずぐずなんです、みたいなところを盛り込んで。

はじめは、日本のトイレはクールだっていうことだけで1曲作ろうと思ったんですけど、そんなに歌うことないなぁってなって(笑)。じゃあ、ちょっとインフラにも突っ込んでいこうと思って、こういう感じになりました」

──途中のジャズコーラス的なハーモニーが、トイレの水がサーッと流れるときみたいに、さわやかな印象を受けます(笑)。こういう、ちょっと遊んだような歌詞に、ジャズっぽいコーラスとか、澄んだ印象のアレンジをつけたりするあたり、KIRINJIのひとつの真骨頂ですよね。

「こういう曲って、どんな歌詞を乗せたらいいのかなって。なんかユーモラスなもの以外思い浮かばなくて。こういったファンキーでニューウェーブ的なサウンドの場合、みんな何を歌ってるのかなって」

──たしかに、ファンキーな音楽をやってる方たちって、ユーモラスな日本語の歌詞を乗せる方が多い気がします。

「そうなりますよね。でも、本場(海外)の人たちはどういうことを歌ってるんだろうね」

──もっとどうでもいいことを歌ってそうですけど。

「そんな気がしますよね」

──サウンドだけで変態性を出してるから、歌詞にメッセージを持たせる必要もないってことなのかも知れません。