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〈ファイナル・ファンタジー〉の音楽世界は多彩なスタイルと多様なサウンドで広がり続けている!

 87年、スクウェアからの第1作発売を期に〈ファイナルファンタジー〉の物語は始まった。ゲームデザイナーの坂口博信がディレクターを務めた同作は、プレイヤーがキャラクターの職業を選択できる〈ジョブシステム〉や、サイドヴューでの戦闘画面など当時は珍しかった要素を導入し、大ヒットを記録。現在に至るまで、本編16作のほかスピンオフなどを含めると100以上のタイトルがリリースされており、昨年、累計出荷・ダウンロード販売本数は2億本を突破した。

 SFや神話を混交させた世界観の魅力を、天野喜孝のキャラクターデザインを共に高めたのが、植松伸夫が作り出した音楽だ。豊かな情緒や緊迫したスピード感をもたらすシネマティックなスコアはゲーム音楽の常識を変えたと言える。なかでも、今回yuma yamaguchiがリアレンジに取り組んだ「ファイナルファンタジーIX」(2000年)のオリジナル・サウンドトラックは植松の到達点とも評される作品で、特に主題歌“Melodies Of Life”は名高い。植松がメイン・コンポーザーとして関わったのは「ファイナルファンタジーX」(2001年)までだが、以降も崎元仁や祖堅正慶ら才気に溢れた作曲家たちがその音世界を常にアップデートし続けている。加えて、フェイ・ウォンやアンジェラ・アキ、米津玄師、さらにUKのレオナ・ルイス、フローレンス&ザ・マシーンらポップ畑のアーティストによる主題歌が作品を彩ってきたことも忘れ難い。

 ピアノ・ソロやオーケストラ、ジャズや電子音楽など多彩なテーマのリアレンジ作品も枚挙に暇がなく、2025年は〈Kawaii〉をテーマにした『#SQkawaii Sounds -FINAL FANTASY-』、EDM的なアプローチの『PULSE: FINAL FANTASY XIV Remix Album Vol.2』などが届いている。近年はアナログ盤でのリイシューやBlu-ray Disc Musicフォーマットでの映像付きサントラのリリースも活発で、昨年7月には「ファイナルファンタジーIX」の25周年を記念したLP「FINAL FANTASY IX 25th Anniversary Vinyl - Timeless Tale -」も登場。今年も2月には〈ファイナルファンタジー ピクセルリマスター〉シリーズのサントラ6作がCD化を控えており、〈ファイナルファンタジー〉の音楽をめぐる冒険からは、まだまだ抜けられそうにない。 *田中亮太

左から、2024年の映像付きサントラ『DAWNTRAIL: FINAL FANTASY XIV Original Soundtrack』(スクウェア・エニックス)、アンジェラ・アキの2005年作『HOME』(エピック)、米津玄師の2024年作『LOST CORNER』(ソニー) 、2025年作『Crystalline Resonance - FINAL FANTASY Piano Collection』、2025年作『#SQkawaii Sounds -FINAL FANTASY』、2025年作『FINAL FANTASY VII REBIRTH ACOUSTIC ARRANGEMENTS』、2025年作『PULSE: FINAL FANTASY XIV Remix Album Vol.2(Deluxe Edition)』、2025年作『FINAL FANTASY XIV Orchestral Arrangement Album Vol.4』、2025年のアナログ盤『FINAL FANTASY TACTICS Best Selection - Vinyl Soundtrack』、2025年のアナログ盤『FINAL FANTASY IX 25th Anniversary Vinyl - Timeless Tale -』、2月18日にリリースされるサントラ『FINAL FANTASY I PIXEL REMASTER Original Soundtrack CD』(すべてスクウェア・エニックス)