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〈Midnight Jazz〉の参加アーティストが奏でる、刺激的な音の連なり

坂東祐大, yuma yamaguchi, 君島大空 『ドラマ「火星の女王」オリジナル・サウンドトラック』 コロムビア(2025)

NHKの放送100年を記念して2025年に制作・放送されたSFドラマはyuma yamaguchiと坂東祐大が劇伴を担当。クラシックと電子音楽を融合させた“困惑”あたりは、yumaの作家性が色濃く出たものだろう。主題歌“記憶と引力”には君島大空がヴォーカリストで参加。

 

君島大空 『音のする部屋』 APOLLO SOUNDS(2025)

君島が編曲した“月なきみそらの道化師たち”には、彼の合奏形態に名を連ねるドラマーの石若駿、オーストラリア出身のベーシストであるマーティ・ホロベックが参加。このEPの“WEYK”などでも聴ける、ジャズ・ロック~プログレ的な演奏を堪能できる一曲だ。

 

Answer to Remember 『Answer to Remember II』 ユニバーサル(2024)

〈Midnight Jazz〉で現代ジャズの横断性や先鋭性に興味を持った人は、首謀者の石若を筆頭にホロベックや馬場智章、若井優也らプレイヤーが連なる本バンドのセカンド・アルバムを聴くといいはず。緊迫感と自由さの狭間に醸されるエレガンスも両作の共通点だ。

 

馬場智章 『ELECTRIC RIDER』 ユニバーサル(2024)

“独りじゃない”をアレンジし、2分20秒ものソロを披露した馬場は、アニメ映画「BLUE GIANT」で主人公パートを演奏したことで注目を集めたサックス奏者。このメジャー初作はBIGYUKIを共同プロデュースに迎え、未来的なフォルムのジャズを提示している。

 

GRETCHEN PARLATO, LIONEL LOUEKE 『Lean In』 コアポート/Edition(2023)

BIGYUKI編曲の“Melodies Of Life”に招かれたグレッチェン・パーラトは今世紀のNYジャズ・シーンを代表するヴォーカリスト。西アフリカはベニン出身のギタリスト、リオーネル・ルエケとコラボした本作は、平熱で軽妙なグルーヴが心地良い。

 

十明 『変身のレシピ』 EMI/ユニバーサル(2024)

フルート奏者の片山士駿が手掛けたブライトフルな“あの丘を越えて”で、ホーリーな歌を響かせた自作自演家の初作。野田洋次郎が大半の楽曲に関わるなか、yumaは“蜘蛛の糸”をアレンジ。妖しくも艶やかなキャバレー・ジャズ調の旋律に惹き込まれる。

 

高井息吹 『金星の声』 高井息吹(2024)

石若、君島など〈Midnight Jazz〉参加の音楽家たちと親交の深いシンガー・ソングライターは、編曲を担った若井優也によるピアノと彼女の歌のみで“ハンターチャンス”を構築。ポスト・クラシカル的な美しさは、生演奏と電子音で厳かな世界を描いた本EPと重なる。

 

若井優也トリオ 『Will II』 Dede(2024)

ピアニストの若井はmimikoのスキャットが華麗に舞う“永遠の豊穣”もアレンジ。Answer to Rememberでも共に演奏する石若、ベーシストの楠井五月と組んだトリオ名義でのこの2作目は、スタンダードの“For Heaven's Sake”など緻密なプレイが光る。

 

北村蕗 『Spira1oop』 _utter_ur(2025)

マルチな俊才が昨年11月に発表し、賛辞を集めている初アルバム。〈Midnight Jazz〉で手掛けた“最後の闘い”と同様、ジャズやクラシックへの素養を落とし込んだレフトフィールドな電子音楽を組み上げている。ダンス・ミュージックとしてのフロア鳴りが抜群。 *田中亮太