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相反するような境界を横断する稀有な感性
2006年にはトリオと並行する形で、より自在なスタイルによるバンドのYuji Ohno & Lupintic Fiveを結成。2016年にはメンバーを再編したYuji Ohno & Lupintic Sixへと発展するが、ここにはかつてYou & Explosion Bandで活躍したミッチー長岡と市原康が参加しているのが感慨深い。
2015年にはスピンオフを除けば30年ぶりとなるテレビシリーズの「ルパン三世 PART4」が放送開始。2022年に終了した目下の最新作である「ルパン三世 PART6」までの音楽を、大野は自身のバンドを中心に手掛けている。
80歳を越えてもなお現役のミュージシャンとして、ライブ、作編曲、レコーディングなど精力的な活動を続けていたタフな精神力と、プロの音楽家としての強い矜持には心底感服する以外ない。
大野雄二は、いちどジャズという音楽と決別した人だった。けれどその遠回りがあったからこそ、ジャズを敬慕しつつもその枠に収まることなく、多種多様な音楽をフラットに自身の糧とすることができたのだ。アートとエンターテインメント、高度な技巧と親しみやすさ、そしてジャズとポップス。一見相反するような境界を軽やかに横断してしまう、その稀有な感性こそが大野雄二の最大の魅力であり、それゆえ彼の音楽はいま聴いても驚くほど自由に響くのである。