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ボブ・ジョンストンが手掛けた名品の一部

 『Parsley, Sage, Rosemary And Thyme』の制作を指揮したボブ・ジョンストンは、ボブ・ディランやジョニー・キャッシュらへの貢献で知られている。もともと作曲家として活動し、一時はコロムビア専任のプロデューサーだった彼は、アーティストが余計なことを気にせず、自由に創造できる空間を作ることに長けており、2015年に亡くなるまで、ウィリー・ネルソンやカール・パーキンス、ジミー・クリフら数多くの作品で腕を揮ってきた。ここでは、60年代半ばから70年代前半の代表的な作品を紹介しよう。

ボブ・ジョンストンが関わった作品を一部紹介。
左から、ジミー・クリフの78年作『Give Thanks』(Warner Bros.)、ウォーターボーイズの88年作のボックスセット『Fisherman’s Box』(Parlophone)


BOB DYLAN 『Blonde On Blonde』 Columbia(1966)

前作『Highway 61 Revisited』の制作途中からディランと組んだジョンストンは、NYでのセッションが停滞していた本作の録音場所にナッシュヴィルを進言。結果、芳醇さと酩酊感に溢れた傑作が生まれ、2人の関係はディランの70年作『New Morning』まで続いた。

 

JOHNNY CASH 『At Folsom Prison』 Columbia(1968)

アウトローの心情を歌ってきたカントリー・シンガーが長らく制作を渇望してきた刑務所でのライヴ盤は、ジョンストンの尽力で実現。以降、キャッシュは同じ趣旨でのアルバムを3作リリースしているが、69年の『At San Quentin』もジョンストン制作によるものだ。

 

LEONARD COHEN 『Songs Of Love And Hate』 Columbia(1971)

奥深い歌声が魅力の詩人/自作自演歌手による3作目。ジョンストンはプロデュースだけでなくピアノ演奏も行い、無骨な手触りと繊細なメランコリアが剥き出しになったかのような音作りに一役買っている。なお、この時期の彼はコーエンのライヴ・メンバーでもあった。

 

LINDISFARNE 『Fog On The Tyne』 Charisma(1971)

コロムビアから独立したジョンストンがプロデュースした、英フォーク・バンドによる2作目。憂いを帯びたメロディーと仄かにサイケな音作りが妙味たっぷりで、全英1位を記録。そのギャラとして彼は、クロウバラに位置する古城への1年間の滞在権を贈られたという。 *田中亮太