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“瑠璃色の地球”が時代を超えて愛される最大の理由
そして、アルバムの最後に置かれたのが“瑠璃色の地球”である。作詞は松本隆、作曲は平井夏美。よく知られているように、平井夏美は音楽プロデューサーであり作曲家でもある川原伸司の別名義とされている。
“瑠璃色の地球”は希望を歌う歌ではない。希望そのものになろうとする歌である。壮大で希望に満ちた旋律の上に、〈夜明けの来ない夜はない〉という普遍的なメッセージが静かに積み重ねられていく。その歌声は、力強さを誇示するのではなく、慈しむように、包み込むように、一語一語を丁寧に紡いでいく。
この曲のレコーディングは、松田聖子が第一子を身ごもっていた時期と重なる。その事実を知ってあらためて耳を傾けると、この歌唱には新しい生命を見守る母親としての静かなまなざしさえ感じられる。もちろん、それは聴き手の解釈にすぎないのかもしれない。しかし、その穏やかで揺るぎない温もりこそが、“瑠璃色の地球”を時代を超えて愛されるスタンダードへと押し上げた最大の理由なのではないだろうか。
本作は、“螢の草原”という静かな目覚めから始まり、“瑠璃色の地球”という普遍的な祈りへとたどり着く。その流れは、一枚のアルバムが持つ物語性を、これ以上ないほど鮮やかに体現している。『SUPREME』は、トップアイドル・松田聖子の到達点である。そして同時に、その先へ続く旅路の最初の一歩でもあった。