この10年くらいのメンバー5人の活動もやっぱりおもしろい!!!!
バンドの動きがない期間も多いストロークスだけに、メンバーはそれぞれコンスタントにソロで活動を行ってきた。ここでは直近10年くらいの5人の足どりを紹介しよう。ヴォーカリストのジュリアン・カサブランカスはヴォイズでカルトかつミュータンティックな嗜好性を存分に追求中で、2024年には3作目『Like All Before You』を発表。また、ダフト・パンクでの歌唱やチャーリーXCXのリミックスなどデカめの仕事でも存在感を発揮している。
また、ギタリストのニック・ヴァレンシが2016年から始動させたバンドのCRXは、ハード・ロックやグラム・メタル寄りのサウンドが特徴。彼はシーアやオーバーホーファーへの参加などでも、自身のヒーローであるスラッシュを思わせるギターを奔放に弾いている。そして、とりわけ精力的なソロ活動を行っているのが同じくギタリストのアルバート・ハモンドJr。2023年の『Melodies On Hiatus』を含む5作のソロ・アルバムをこれまでに発表。ストロークス以上にストロークスっぽいシンプルなギター・ロックからラッパーのゴールドリンクが客演した楽曲まで、気負いなく自由にソロ・キャリアを楽しんでいる印象だ。さらにヴューやナタリー・インブルーリア、ダミアーノ・デイヴィッドなど制作仕事や客演も多い。
そして、ベーシストのニコライ・フレイチュアはニッケル・アイ名義を経て、4人組バンドのサマー・ムーンを結成。2017年の初作『With You Tonight』はひりひりとした焦燥感が特徴のポスト・パンクを構築していた。また、フォーク・トリオのリトル・ジョイを組んでいたドラマーのファブリツィオ・モレッティは現在、NY拠点のアート・コレクティヴ的なユニット、マシーンガムの一員として活動。構成員のイアン・デヴァニーを擁するエレクトロ・ポップバンド、ネイション・オブ・ランゲージの作品もサポートしていた。バラバラのように見えて、やっぱり趣味は似ていると感じなくもない5人の活動だが、そこでの自由な実験の成果を重ねた結果、ストロークスの独創的なロックが出来上がっていることは間違いない。 *田中亮太
左から、ヴォイズの2024年作『Like All Before You』(Cult)、ダフト・パンクの2013年作『Random Access Memories』、CRXの2016年作『New Skin』(共にColumbia)、シーアの2014年作『1000 Forms Of Fear』(Monkey Puzzle / RCA)、ヴューの2015年作『Ropewalk』(Vagrant)、ナタリー・インブルーリアの2021年作『Firebird』(BMG)、オーバーホーファーの2021年作『Smothered』(Telefono)、アルバート・ハモンドJrの2023年作『Melodies On Hiatus』(Red Bull)、ダミアーノ・デイヴィッドの2025年作『FUNNY little FEARS』(Sony Italy)、サマー・ムーンの2017年作『With You Tonight』(Dtf)、ネイション・オブ・ランゲージの2020年作『Introduction, Presence』(Nation Of Language)、マシーンガムの2019年作『Conduit』(Frenchkiss)