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もともとはポートランドのチェインソーからリリースされた処女作。その後の作品を思えばあまりにも直情的なサウンドだが、だからこそ彼女たちは〈ライオット・ガールの最終兵器〉と謳われたのだろう。ソニック・ユースやニルヴァーナの影響も強く窺わせる。
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キル・ロック・スターズ移籍作となるサード・アルバム。力任せのダイナミックなドラム・プレイを持ち味とするジャネット・ワイスが加入し、ここからバンドの快進撃が始まることに! 60sガレージ・ロック・サウンドへの接近も、ロック好きの心を鷲掴みにした。
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『Dig Me Out』の成功を弾みに、多彩な表現に挑んだ4作目。曲調の変化のみならず、複雑に絡み合うハーモニーや空間を意識した奥行きのあるアンサンブルに著しい成長が窺える。ダム・ダム・ガールズらフォロワーにとって大きな指針になったのは、きっと本作のはず。
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メロウな魅力をモノにした前作から一転、グッと感情を抑え、タイトに迫った一枚。 そんな硬派な本作中で、ポップな魅力が際立つ“You're No Rock N' Roll Fun”は出色の出来だろう。音の多彩さより重層的な響きを意識したギター・ワークも聴きどころ。
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ストリングスやホーン、男性ヴォーカルを用いるなど、改めて彼女たちの挑戦に限界がないことを実感。しかし、それ以上に重要なのはブルースやリズム&ブルースへのアプローチだ。低音のうねりを意識したプロダクションは、いま思えばあきらかに次作への布石だった。
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サブ・ポップ設立20年のアニヴァーサリー企画の目玉として登場した移籍作。フリーキーかつサイケデリックなサウンドを貫くスリーター・キニー流のロックンロールが痛快極まりない。プロデュースを手掛けたデイヴ・フリッドマンのおかげか、音の重たさ/音圧のデカさはキャリア随一!