絶対的にポジティヴな意志で、日本とインドネシアを繋ぐ架け橋にならんとするマルチリンガル・シンガーの描く〈新しい自分〉!

 2014年4月にミニ・アルバム『MiCopedia』でデビューした、インドネシア人の両親を持つマルチリンガル・シンガー、アモウミコ。昨年はインドネシア最大級のイヴェント〈ENNICHISAI 2014〉にも凱旋出演を果たすなど、海を越えて精力的なライヴ活動を敢行。「〈新しい自分〉を求めて常に挑戦し続けた一年だった」と本人が語るように、着実にステップアップを果たした彼女は、みずからのなかに宿る最強のパワー〈絶対的にポジティヴ〉な楽曲をコンプリートしたセカンド・ミニ・アルバム『BRAND NEW ME』を、自身の23歳の誕生日にリリースした。

アモウミコ BRAND NEW ME ポニーキャニオン(2015)

 タイトル・チューン“BRAND NEW ME”から清々しいビートに乗せて、〈生まれ変われる/最高のスタートの日になる〉と、透明感に満ちた歌声で力強く宣言。続く圧倒的にキャッチーなナンバー“I WISH”でさらに加速度を上げ、ミニ・アルバムは一気にハッピー・モードへと突入する。一変して、アコギの音色が豊潤なメロディーラインを際立たせるセンティメンタルなバラード“Rainbow”では、憂いを帯びた前半から包み込むように壮大なサビ、迫りくる後半のフェイクと、タイプの異なる歌声で聴き手の琴線を揺さぶる。また、甘美な旋律とファンキーなバウンス・ビートが野性的な感覚を呼び起こすB-BANDJ参加曲“JaBoom JaBoom”は、アッパーなサウンドと彼女の躍動するヴォーカルが灼熱のインドネシアのビーチを想起させる、作中でもっとも新たなアモウミコを感じさせるナンバーと言える。

 さらにボーナス・トラックの“Kokoro No Tomo ~心の友~”は、インドネシアで人気を誇る五輪真弓の楽曲“心の友”のカヴァー。原曲のクラシカルな風情を残しつつも、最新鋭のEDMとクロスオーヴァーさせた、2015年の彼女らしいヴァージョンにアップデートされている。

 夢は「日本とインドネシアの架け橋になること」と目を輝かせるアモウミコ。〈愛=Amour(アモール)〉に由来し、〈アジアを愛しハッピーにする!〉という意志を込めたアーティスト名が示す如く、愛に溢れた彼女の音楽は、両国の人たちに幸せな連鎖をもたらすだろう。

 そして、〈ちょっとずつ/進化してる途中だから〉と、“I WISH”で彼女自身が歌っているように、まさに『BRAND NEW ME』は発展途上にあるシンガー、アモウミコの成長過程を記した作品とも言える。誕生日を迎え、女性としてひとつ年齢を重ねたと共に、シンガーとしてここから新たな一歩を踏み出した彼女の今後が楽しみでならない。