『わたくしの二十世紀』に参加しているシンガーと、そこにまつわるあれこれを紹介!

 全16曲からなる『わたくしの二十世紀』。参加したシンガーについて小西康陽のコメントを交えながらご紹介しましょう。

 「20年ぐらい1ミリも思い出さなかった曲(笑)。あのときシングル候補のつもりで作った曲なのに、レコード会社の宣伝の人たちが媒体に聴かせたら、ほぼ全員が“万事快調”って。ライヴでも一回やったぐらいかな」という“フラワー・ドラム・ソング”を歌った甲田益也子、そして市川実和子大瀧詠一プロデュースの98年作『Pinup Girl』乞う復刻!)、AMAZONS吉川智子といった名前は、2008年に編んだカヴァー・コンピ『うたとギター。ピアノ。ことば。』にも参加していた顔ぶれ。

  「吉川さんは日本のダスティ・スプリングフィールド。哀しさのあるあの声で歌ってくれたら、曲が5割増しで良くなりますよ。ソングライター視点でこんな魅力的な人はいないですね」。 

【参考音源】甲田益也子の98年作『jupiter』収録曲“Butter”


  おおたえみり小泉今日子ミズノマリムッシュかまやつといった面々は、楽曲提供やプロデュースでも縁のあるところ。

  「ムッシュにナレイションをしてもらった“ゴンドラの歌”は、出来上がっていたアレンジのイメージがグレン・キャンベルだったんですよ。カントリー&ウェスタンを長らく歌ってた人が、ジミー・ウェッブの曲を歌ったり、コンテンポラリーな音楽をやるようになったっていう、あの頃の感じがやりたくて。それで辿り着いたのがムッシュだったんですよね」

【参考動画】グレン・キャンベルの67年作『By The Time I Get To Phoenix』収録曲
“By The Time I Get To Phoenix”のパフォーマンス動画
【参考動画】小泉今日子の2012年作『Koizumi Chansonnier』収録曲“100%”のMV


  初共演となったのが、UAYOU西寺郷太、無名のシンガー・ソングライター(とはいっても、10年ほどのキャリアを持つ)ehana。なかでも西寺の〈歌い語る〉ような歌声は、普段の彼とは違った魅力を感じさせてくれるもの。

  「郷太くんに歌ってもらった3曲(“恋のテレビジョン・エイジ”“日曜日”“マジック・カーペット・ライド”)は、最初から郷太くんに歌ってもらうことを考えていました。彼にとってはいままでにはないタイプの曲だろうけど、絶対歌えるはずだって。きっと彼もいずれはこういうドラムレスのレコードとか作るつもりあるんじゃないかな。たとえば、ジョージ・マイケルがピアノ一本とかギター一本とかストリングスだけのレコード作ったら絶対イイでしょ? そういう感じ」。

【参考動画】NONA REEVESの2014年作『FOREVER FOREVER』収録曲“夢の恋人”のMV