スタジオ録音としては初のヴォーカル作。これまでの自作曲を中心としたレパートリーをジャズ的な5人編成のアンサンブルで展開している。何よりも当人の生々しい歌唱を軸に据えた作品だが、プログレッシヴと形容したくもなる鮮烈なアレンジも凄い。とりわけチェロのふくよかな響きが、ひたすらメランコリックで美しいアルバムのトーンを決定づけている。