GO TO EVERYWHERE
耳で聴いたピープル・トゥリー
坂本真綾をめぐる音楽の果実は、ここに一本のトゥリーを生んだ

 

菅野よう子 CMようこ Grand Trax(2008)

坂本真綾のデビュー時から複雑でクセの強い楽曲を次々と渡すことで、彼女の才能を最大限まで引き出した菅野よう子。だが、その高度な要求に応える歌い手がいたからこそ楽曲の放つ光も増したわけで、2人の関係性は師弟と言うより盟友や姉妹に近いのかも。それは本作に収録の親密な共演曲“チョコと勇気”からも伝わる。 *北野

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鈴木祥子 GOLDEN☆BEST Syoko. The Ballad of Syoko Suzuki ソニー(2011)

小泉今日子“優しい雨”ほか数々の名曲を生んできたシンガー・ソングライターは、“風待ちジェット”をはじめ〈菅野以後〉の真綾作品に欠かせない存在。憂いを帯びたメロディーとアレンジに洋楽ネタを散りばめる遊び心は、鈴木自身の音楽性にも直結するものだ。他、真綾の武道館公演にドラマーとして参加したことも。 *北野

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VARIOUS ARTISTS 「マクロスF」 O.S.T.2 娘トラ☆ flying DOG(2008)

詞を書くのは基本的に自身で歌う曲だけ、という真綾だが、菅野よう子が音楽を手掛けたアニメ「マクロスF」では、中島愛演じるランカ・リーの歌う劇中歌“蒼のエーテル”や、物語上重要な役割を担う子守唄“アイモ”などを作詞。なかでも後者は、坂本本人もランカの母親役で出演し、母娘デュオを披露するというサプライズも! *北野

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冨田恵一 冨田恵一 WORKS BEST~beautiful songs to remember~ rhythm zone(2011)

編曲で携わった“ムーンライト(または“きみが眠るための音楽”)”で真綾と出会ったマエストロは、自身の“エイプリルフール”に彼女を招聘。ゆったりとしたエレガント・ポップとノーブルな歌声の相性はもちろん抜群で、「言葉をどう歌うかに重きを置いた声の表情に並みならぬヴァリエーションがある」と絶賛している。 *土田

【参考動画】冨田恵一のベスト盤『冨田恵一 WORKS BEST~beautiful songs to remember~』より
坂本真綾の参加曲“エイプリルフール”のドキュメント映像

 

 

末光篤 From Your Pianist KADOKAWA メディアファクトリー(2012)

本領発揮の華やかなピアノ・ポップ“eternal return”を真綾に提供したシンガー・ソングライターは、そこで彼女の歌声が持つパンチのある高音に射抜かれたそう。後に、松田聖子“青い珊瑚礁”の歌い出しのようなヴォーカリゼーションを求めていたというベル&セバスチャン初期の名曲“Lazy Line Painter Jane”のカヴァーでデュエットも。 *土田

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RASMUS FABER Platina Jazz - Anime Standards Vol.2 ビクター(2010)

アニソンのジャズ・カヴァー・プロジェクトも走らせているスウェーデンのトラックメイカーは、本作で真綾の楽曲をピック。それを彼女が耳にしたことから後の楽曲提供に繋がったようだが、初期の乙女ハウス路線から近作のEDM仕様まで、彼の曲における変わらぬ美点は、真綾の声の特性と同じく品のあるメロディーだ。 *土田 

 

 

大貫妙子 SUNSHOWER PANAM(1977)

シュガー・ベイブ“DOWN TOWN”やユーミンのカヴァーなど、デビュー15周年企画のなかではニューミュージック趣味を覗かせた真綾。その後、憧れの存在だという大貫妙子を作詞/作曲に迎えた“はじまりの海”では、シャキシャキとしたリズム(ドラムスは林立夫!)にメロウなローズが揺れる、清涼感たっぷりのシティー・ポップもモノに! *北野

【参考動画】坂本真綾の2015年作『FOLLOW ME UP』収録曲、
大貫妙子の作詞/作曲による“はじまりの海”

 

 

the band apart 謎のオープンワールド asian gothic(2015)

“Be mine!”への楽曲提供が発表された際は〈異色〉の声も。だが、菅野よう子に鍛えられた真綾と、複雑&トリッキーな曲展開を持つバンドの組み合わせが悪いはずはない。当初は〈パンク・ロック〉というオーダーもあったという同曲では、高低差の激しいメロディーでエッジと勢いを体現。以降もコラボを重ねることに。 *土田

 

 

コーネリアス Constellations Of Music ワーナー(2015)

真綾の20周年記念企画の第3弾のコラボ相手となったのは、彼女が主役の声を演じる〈攻殻機動隊ARISE〉シリーズの音楽を担当してきたCornelius。その主題歌も含む本作では、断片的な声が降り注ぐ構築的なトラックやアンビエントなスロウによって、真綾の歌声からアンニュイな色気を引き出している。 *土田

 

 

坂本慎太郎 ナマで踊ろう zelone(2014)

作詞に心血を注ぐ真綾だが、その方面で過去にフェイヴァリットとして挙がったのは甲本ヒロト草野マサムネ。両者の言葉には〈説明しすぎないシンプルさ〉が共通するように思われるが、〈坂本真綾 コーネリアス〉作品や今回の新作に詞を提供したこの自作自演家もまさにそう。フラットだけど、イマジナティヴ。 *土田

 

 

牧野由依 タビノオト インペリアル(2015)

菅野よう子に見い出されて歌手の道を踏み出した声優の彼女は、今年でデビュー10周年。矢野博康プロデュースの新作には、かの香織堀込高樹ら真綾と縁のある面々に加え、宮川弾Avec Avecらも参加。当人のアーティスト性や作家陣の多彩さも含めて『FOLLOW ME UP』に通じるものが。なお、彼女は以前、真綾の“ループ”をカヴァーした経験も。 *北野

 

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