ブラジル、リオで制作された世界に対してお墨付きの「ヤバイ音」つまり「カッコいい音」の制作過程と要注目人物、スポットが満載!!

(C)2015 Twentieth Century Fox Film Corporation 

 

 「ジャイルスのブラジル音楽ドキュメンタリー映画が出来たらしい」。それを聞いた時に思い出したのがビエール・バルーの『サラヴァ』、デヴィッド・バーンの『イレ・アイーエ』、ミカ・カウリスマキ『モロ・ノ・ブラジル』だ。それぞれアプローチは違うけれど、外国人としてそれも世界的に影響力のあるアーティストのフィルターを通して世界に発信されるブラジル。現在に於いて、ジャイルス・ピーターソンはその役割を担うのに役者として十分だ。アシッドジャズ・ムーブメントを起こした中心人物で、DJとしての影響力もさることながら、英国BBC RADIO 6 MUSICで看板番組を担当すると同時に、世界10カ国以上でラジオ番組を放送し、まだ知られていない世界中から集めた彼のフィルターを通した「ヤバイ音」つまり「カッコイイ音」を世界中に紹介し続けている。まさに番組名の通りWORDWIDE。音楽に鋭いアンテナを張っている人たちにとっては必聴プログラムだ。彼が紹介する事でジャイルス・ブランドが付き、世界に対してお墨付きとなる。そんな彼がこの作品を作ったことはとても意味のあることだ。ブラジル音楽好きの一人としては「やった! ジャイルス!!」としか言いようがない。アルバム自体は14年に発表されていて、撮影された時期は14年のブラジルワールドカップ前だ。 

 ジャイルスはリオにアルバム制作の為10日間滞在し、『モレーノ+2』で日本公演経験もあり、オルケスタ・インペリアルのリーダーの一人でもあり、今や新世代ブラジル音楽のキーパーソンであるカシンを共同プロデューサーに迎えて作成。この映画はその制作過程のドキュメンタリーだ。そのドリームプロジェクト名が「ソンゼイラ」!! 参加アーティストも彼らしいなぁ、という印象。もちろん有名人なのだけれど、マスで知られている人ではなくて、外国フィルターを通したブラジル音楽好き、そしてブラジル人の音楽オタクがニヤリとしてしまうラインナップ。彼の好みからみても、エルザ・ソアレスマルコス・ヴァーリエヂ・モッタは必須だし、セウ・ジョルジが最後に現代性を加えて完成!!というのも良くわかる。エルザの歌うスローテンポの《ブラジルの水彩画》は観た後でもずっと心に残る程印象的。そしてナナの「ブラジルには既にアフリカには無いアフリカが存在する」。ウィルソンの「ブラジル音楽にはサンバが潜んでいる」という言葉には激しく同意。カシンが紹介しているスポットやアーティスト名は映画を観ながらメモを取って後日訪れたり、調べる事が必須だし、そういう意味でも見所満載。

 さて、ジャイルスが探し続けていたレコード、ジョゼ・プラテスの『タム・タム・タム』だが、彼がエヂ・モッタから借り受け、UKのレーベルからリマスタリングしてCDリリースされているらしい。これも入手困難の模様。ジャイルスの音楽オタク度には参った!!

 

映画『ブラジル・バン・バン・バン:ザ・ストーリー・オブ・ソンゼイラ
~ジャイルス・ピーターソンとパーフェクトビートを探しもとめて~』
監督・製作:チャーリー・インマンベンジャミン・ホルマン 
出演:エルザ・ソアレス/マルコス・ヴァーリ/ナナ・ヴァスコンセロスウィルソン・ダス・ネヴィス/セウ・ジョルジ/ガブリエル・モウラアルリンド・クルス/エヂ・モッタ/アレシャンドリ・カシンエマヌエリ・アウラージョマルチナーリアロブ・ギャラガー/ジャイルス・ピーターソン/他 
配給:シャ・ラ・ラ・カンパニー(2014年 イギリス・ブラジル・アメリカ 70分)
◎10/9(金)~19(金) 渋谷アップリンクにて公開!  

■上映期間延長決定!■
10/17(土)~10/19(月)、10/21(水)の期間、それぞれ15:40からの上映が追加されました。
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