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イパ、自身のサウンドに真正面から対峙し今時のモードともリンクしたキャリア集大成的な新作を完成

イパ、自身のサウンドに真正面から対峙し今時のモードともリンクしたキャリア集大成的な新作を完成

時代がイパに追いついたのか!? 4作目にしてキャリア集大成となる傑作が登場!

 2006年にニンジャ・チューンからデビュー・アルバム『You Are Beautiful At All Times』をリリースして以降、3年周期でアルバムを発表してきたイパことジョー・コラレス。ユニークなキャリア(バンドはもちろん、ターンテーブリスト集団のメンバーとしても活動)をいかして試みたブレイクビーツとシューゲイザーの融合は、ニンジャでは異色の存在として注目を浴び、過去3作はどれも高い評価を獲得、海外ではTVドラマやゲームでも曲が使用され、今やレーベルの出世頭だ。そんなイパが4枚目のアルバムを完成させた。

YPPAH Tiny Pause BEAT/COUNTER(2015)

 前作『Eighty One』では、ボノボとのツアーで出会った女性シンガー、アノミー・ベルとの共演により初めてヴォーカル曲にチャレンジすることで新しい扉を開いたジョーだが、今回は自身のサウンドに真正面から対峙した内容で、これまで作りあげてきた音楽性をブラッシュ・アップし、成熟を図っている。その成果は、浮遊感のあるメロディ、幻想的なサンプリング・ヴォイス、センチメンタルなギターが一体となって心地よく響くオープニング《All Shades Of Pink》から素晴らしい形となって現れる。すでにライヴで披露されている夢見心地な《Occasional Magic》、メロウなシューゲイズ・チューンから中盤以降ドラムンベース風ビートへと加速するドラマチックな《Neighborhoods》、疾走感のあるブレイクビーツとキレのあるギター・サウンドがケミカル・ブラザーズを彷彿とさせる 《Bushmillls》等々、後続の曲たちもイパらしいエモーショナルで美しい音が構築され、キャリアの総決算といえる仕上がり。それでいて全体を通してドリーミーな要素が増し、卓越したヴォイス・サンプル使いやトロピカルな風味も漂うなど、今時のモードともさりげなくリンクしている点も聴き逃せないだろう。

 時代がイパに追いついたのか、それとも本人が意識的に流行を吸収したのか。いずれにしても傑作であることに間違いはない。

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