60年代に前衛芸術家として活躍。作品が放つ強烈な風刺&批評精神ゆえに公権力から起訴~逮捕、有罪判決まで受けた作者が70年代以降漫画家に転身。その時代の作品をまとめたのが本作。一読頂ければつげ義春『ねじ式』のパロディ的作品も含め、漫画家転身が作者の公権力に屈服した結果などではなく、依然としてその作品が痛烈な風刺&批評精神を宿したものであった事が良くわかるはず。70年代末以降別名(尾辻克彦)で文壇で活躍、芥川賞まで受賞しながら名声に溺れる事もなく依然としてダダイストぶりを存分発揮(路上観察学会はとみに有名)。現代日本の世相にこそ生き続けてほしかった反骨の巨人だ。
反骨の巨人・赤瀬川原平が、漫画家へ転身した70年代以降の作品まとめた痛烈な風刺&批評精神を宿す「赤瀬川原平漫画大全」
河出書房新社