なんと27年ぶりのソロ作は、スウィンギンでオールドタイミーなジャズ・ヴォーカル集。スタンダード・ナンバーや、有頂天“ミシシッピ”、ゲルニカ“復興の歌”などのカヴァーを交えた13曲は、洒落っ気や諧謔精神も含めてエノケンを継承したような趣で、どこまでも軽やかでありながらシリアスに胸に突き刺さる重みも携えている。昭和の流行歌“東京の屋根の下”のチープな打ち込みによる解釈が沁みます。