CHARLES KELLEY
レディ・アンテベラムの男気担当が、ソロで魅せる大人の色気とは?

 大人気の男女トリオ、レディ・アンテベラムチャールズ・ケリーが満を持してソロ・デビュー。軸足をカントリーに置きながら、幅広い層にリーチするポップな音作りは、グループの時と同様、ここに到着した『The Driver』でも変わらない。が、絶妙な匙加減で色気を振り撒いていて、彼の新たな一面に多くの人が引き込まれることだろう。

CHARLES KELLEY The Driver Capitol Nashville(2016)

 全体的にMORっぽい雰囲気でまとめているなか、とりわけ哀愁溢れる“Dancing Around It”はその真骨頂と言えるか。また、カントリー~サザン・ロックの次世代スターと謳われるクリス・ステイプルトン製“Lonely Girl”が、マルーン5っぽいシティー感を纏っているのもおもしろい。そのほか、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのカヴァーではスティーヴィー・ニックスと、正統派のカントリー・バラード“I Wish You Were Here”ではミランダ・ランバートと共演し、〈女声が交わらないと物足りない〉という本隊のファンの声にも応えるようなバランス感覚は流石だ。ソロとして上々の滑り出しを見せたチャールズ。年内にアンテベラムの新作も登場するようだし、しばらく彼から目を離せそうにない。