ソウルフルなロックで人気を確立したエル・キングがもう1つのルーツであるカントリーに取り組む。その試みはディエクス・ベントレーとデュエットしたモダンな“Worth A Shot”やフィドルやペダル・スティールが鳴るノスタルジックな“Bonafide”で見事に結実。しかし、それだけで終わらないのがエル・キング。ミランダ・ランバートとの共演も話題の“Drunk (And I Don’t Wanna Go Home)”のアンセミックでソウルフルなロックやアシュリー・マクブライドを迎えた“Tulsa”のサザン・ロックは、ブルージーなロックを求めるリスナーも満足させるはず。彼女の2つのルーツが溶け合うバラード“Love Go By”も聴き逃せない。そういうアルバムが懐古調にならないのはビートが力強いからだ。