黒田卓也の全作品に携わる他、エスペランサやホセ・ジェームズからモスデフまで様々な傑作に名を連ねる、ある意味今様のジャズマン。トロンボーン、鍵盤、ヴォーカル、どれをとっても一流の腕を誇る彼の満を持してのデビュー作はトロンボーンは用いず、鍵盤&打ち込みのエレクトリックなサウンドが全編を満たす。ジャマイア・ウィリアムス(ds)はじめ、コーリーも所属するERIMAJのメンバーを中心としたサポートのプログレッシヴな演奏でポストロック然とした音像が効果的に与えられた新次元のR&B。何より艶やかで深く煙たい彼の歌声が一瞬でその場の空気を支配するほど恐ろしく美しい。