orange pekoeのナガシマトモコがソロ・プロジェクトを始動し、ブルックリンで録音した初作。引っ越す際にレコードを整理したところ、残しておきたい盤がソウルものばかりだったことから、〈自分なりのソウルをちゃんとやっておかねば〉と始めたそうだが、ブラジリアンを噛み砕いたオレペコの音楽が暖色系だとするなら、こちらは黒、または深い藍色。学生時代からの友人であるトランペッターの黒田卓也にプロデュース/アレンジ/コンポーズを依頼し(上記のエピソードも黒田からの情報)、ホセ・ジェイムズ作品にも参加したクリス・バワーズやコーリー・キングらが彼女の歌声を輝かせている。艶のあるネオ・ソウルに合う抑制された歌唱表現で、全編英語詞。彼女が秘めていたクールな魅力が味わえる。