Tokyo RecordingsがプロデュースするCapesonの初アルバムは、インディーR&Bに呼応しながら和の情緒も感じさせる傑作

2016.11.28

客演した80KIDZ“In My Place”が映画「オオカミ少女と黒王子」の挿入歌になって注目を集めた89年生まれのシンガー・ソングライターによる初アルバム。昨年9月のEP『Portrait1』の収録曲と今年7月のシングル“Believe My Eyes”に新曲を加えた全13曲だ。プロデュースは宇多田ヒカルの最新作でさらに名を広めた小袋成彬が主宰するTokyo Recordings。オープナーの“Walk Away”が象徴的だが、繊細な歌声が曲展開のなかで次第に力強さを増していく様に引き込まれる。曲自体も同様で、かつて留まっていた場所から扉を開けて踏み出した途端、世界と繋がっていくようなダイナミズムがある。全曲英語詞で、サウンド・プロダクションも現在進行形のインディーR&Bに呼応する洋楽的なものだが、メロディーに和の情緒があるのが特徴。また、ヘンに捻ることのない真っ直ぐなエモーション表現が普遍性を導いていて、その意味でも宇多田の新作と通じ合うところがある。桁外れの才能と音楽に対する真摯さが伝わる傑作だ。

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