ハープを愛し作曲も嗜んだという時のフランス王妃、マリー・アントワネット。彼女をテーマにした展覧会が大盛況となる中、「王妃のハープ」と題された好企画盤が登場しました。ハープの名手メストレによる味わい深い演奏もさることながら、選曲が素晴らしく、マリー・アントワネットの時代に書かれた2つのハープ協奏曲と、彼女のお気に入りの曲であったというハイドンの《交響曲第85番「王妃」》、さらに彼女の音楽の師であったグルックの《精霊の踊り》(ハープ独奏版)を収録しています。時代の空気を反映してか、優美さの中に一瞬の翳りを見せるクルムフォルツの協奏曲が実に魅力的。