年末年始も汗だくの鋼鉄連載〈OSHIETAL〉。今回はワシントンDCが生んだベースレスのインスト・トリオ、アニマルズ・アズ・リーダーズをオシエタル! 元リフラックスのトシン・アバシ(ギター)が中心となり、2007年に結成。2009年に初作『Animals As Leaders』を自主リリースするや、驚異の8弦ギターから繰り出される複雑なリズムと曲展開に失神者が続出。出自であるメタルコア畑を飛び越えて信者を生むこととなる。その後、スメリアン入りし、同郷のミーシャ・マンソー(ペリフェリー)を指揮官に迎えて3作目『The Joy Of Motion』(2014年)を投下。この頃からジェント・ブームの中核を担う存在として、メディアへの露出も増えていった。
ANIMALS AS LEADERS 『The Madness Of Many』 Sumerian(2016)
しかし、もはや彼らの音楽を一言で〈ジェント〉と括るには無理があるのではないか!?――4枚目のニュー・アルバム『The Madness Of Many』を聴き、誰もがそう感じるはずだ。枯れたアコギの音色で強弱をつけながら、ポスト・ロック的なアプローチを導入。曲によってはマハヴィシュヌ・オーケストラみたいなフュージョン要素まで飛び出す始末だし、スケールのデカさはスティーヴ・ヴァイの90年作『Passion And Warfare』にも迫るほど。プログレ・メタルの未来を背負って立つのはコイツらでキマリだな! そんなわけで、ついに覚醒した獣集団を聴かずしてメタルをカタルべからず!!