女性への性的暴力が社会問題化している西アフリカの現状を訴えるべく、2015年に立ち上がったアフリカ音楽界のスーパー・グループによる初作。〈アフリカのアマゾネスたち〉を意味する名前からも窺える通り、フィーチャーされているのは西アフリカ各国の女性シンガーだ。その顔ぶれは、カンディア・クヤテやマリアム・ドゥンビア(アマドゥ&マリアム)、インナ・モジャらマリ勢を中心に、現代アフロ・ポップを代表する歌い手のひとりであるアンジェリーク・キジョー、ネオ・ソウル系の作品に定評のあるナイジェリア出身のネカなど凄まじい豪華さ。全体を取り仕切るのはパリに住むアイルランド人プロデューサーのリアム・ファレルで、現行R&Bやレゲエのフレイヴァーもほんのり感じさせる洗練されたプロダクションを披露している。ただし、あくまでも音楽世界の中心は滋味深い歌声。伝統楽器の導入もさりげないもので、骨太のアフリカン・ソウル作品として広く聴かれてほしいアルバムだ。
レ・ザマゾン・ダフリック『Republique Amazone』西アフリカ屈指の女性歌手たちが顔を揃えた骨太のアフリカン・ソウル作
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