瀬戸内海に浮かぶ人口1,000人程が住む小さな島。「豊島」。その島には神秘的な美術館が建っている。西澤立衛によって建設された白き建物。その内部には誰もが目を疑う作品が展示されている。「母系」。内藤礼によってつくられた作品だ。この物語は国内外で高い評価を得ている中村佑子監督が現代美術家・内藤礼と共に2年の歳月を経ながら、その接触の中で生み出された。物語は内藤礼自身へのインタヴューから突如として4人の女性への人生へと進んでいく。「母系」を前にして彼女たちは今までの自分を振り返り、そして何を思ったのか…。それらの想いはこの社会で生きる私たちに静かに語りかけてくれる。