Jazz meets Classic with 東京都交響楽団
シリーズ第5回目に、小曽根真とタッグを組むのは、世界的レジェンド・ドラマー、パーカッション奏者のピーター・アースキン!
ジャズとクラシック、両方のジャンルで活躍するピアニスト、小曽根真がトップ・ジャズ・ミュージシャンおよび東京都交響楽団と共演するコンサート。それが “Jazz meets Classic” である。小曽根真と東京都交響楽団がタッグを組み、海外からジャズとクラシックの両方でボーダーレスに活躍するミュージシャンを毎回ゲストに迎える、というコンセプトだ。2013年より毎年開催され、第1回はクラリネット/サックス奏者のパキート・デリベラ、第2回はトランペット奏者のアルトゥーロ・サンドヴァル、第3回はサックス奏者のブランフォード・マルサリス、昨年の第4回はキューバ出身のピアニスト、ゴンサロ・ルバルカバをゲストに迎えてきた。そして5回目を迎えた今回はジャズ/フュージョン界における世界的レジェンド・ドラマー、パーカッション奏者であるピーター・アースキンが登場する。
今回のゲスト、ピーター・アースキンは伝説のバンド、ウェザー・リポートや、ジャコ・パストリアスのビッグ・バンド、ワード・オブ・マウス、そしてステップス・アヘッドなどのメンバーとして70年代から80年代にかけて活躍し、その後もジャズ/フュージョン界のトップ・ドラマーとして様々なプロジェクトで聴かせるドラム・サウンドは他の追従を許さない。その超人的なテクニックと表現力は “音のオーケストラ” と評されている。
一方、ホストである小曽根真は幼少よりクラシック・ピアノを習い、ジャズ・オルガニスト、ピアニストである父、小曽根実の影響でハモンド・オルガンも習得。12歳でジャズ・ピアノを始め、15歳でプロ・デビューしている。そしてバークリー音楽大学に在学中、ゲイリー・バートンが彼の才能を高く評価。卒業後、クインシー・ジョーンズに見出されて米CBSと契約し、ジャズ・ピアニストとして世界デビューを果たしている。その後、ジャズ、ポップス、クラシックとジャンルを超えて活躍し、現在に至っている。彼はジャズ・ピアニストであると同時にコンサート・ピアニストでもあるという、類い稀なる才能の持ち主である。
今回、この二人が取り組むのは、まず第一部として20世紀を代表する米国の音楽家レナード・バーンスタインの交響曲第2番《不安の時代》。ピアノの独奏を含む、ピアノ協奏曲と言っても良い楽曲である。この企画でバーンスタインの楽曲が採り上げられるのは2014年の《キャンディード》序曲、2015年「オン・ザ・タウン」より3つのエピソードについで3度目となる。この交響曲第2番はバーンスタインが生涯に残した3つの交響曲の2番目にあたる作品で、そのタイトルと作風は英国生まれの作家W.H.オーデンの長編詩「不安の時代」に由来する。この2人ならクラシックのアンサンブルとジャズの即興性が理想的に融合した素晴らしいパフォーマンスを聴かせてくれるに違いない。第2部ではベースのダレク・オレスが小曽根真、ピーター・アースキンに加わり、ピアノ・トリオの編成でジャズ・セッションを繰り広げる。
東京都交響楽団を指揮するのはリオ・クオクマン。ピアニストでもある彼は、オーケストラをコントロールするセンスを “衝撃的なまでに才気あふれる指揮者” と高く評価されている香港出身、新進気鋭の指揮者。現在はフィラデルフィア管弦楽団のアジア常任指揮者である。彼の采配にも大きな期待と注目が集まる。
毎年恒例となったこの企画。今年の秋も、またジャズとクラシックの架け橋となる新しい風が吹くことだろう。ちょっと冷たくなってきた空気の中で、感性が研ぎ澄まされる芸術の秋。東京文化会館、オリンパスホール八王子のステージが今から楽しみである。
LIVE INFORMATION
Music Program TOKYO
小曽根 真&ピーター・アースキン "Jazz meets Classic" with 東京都交響楽団
○10/14(土) 16:20開場/17:00開演
会場:東京文化会館 大ホール
○10/15(日) 14:20開場/15:00開演
会場:オリンパスホール八王子
出演:小曽根 真(p)ピーター・アースキン(perc)/ダレク・オレス(b) *第2部のみ/リオ・クオクマン (指揮)*第1部のみ/東京都交響楽団 *第1部のみ
曲目:第1部 バーンスタイン:「キャンディード」序曲/バーンスタイン:交響曲第2番「不安の時代」
第2部 ジャズ・セッション
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