アーノンクールモーツァルト後期三大交響曲再録音」というキーワードで食指が動くというもの。しかも手兵CMWとの録音ということであればなおさら。1991年ヨーロッパ室内オーケストラとの演奏に比べ、当然ながらアーノンクールの意思がより明確に表現されている。例えば40番終楽章展開部冒頭の独特の「溜め」は曲全体の芳醇度を高める要素として旧録音よりはるかに有効に作用している。メヌエットのほとばしる生命力も半端ではない。アーノンクールが目指していることが音楽として具現化されたとき、それがいかに素晴らしいものであるか改めて実感できる。

【参考動画】ニコラウス・アーノンクール指揮、ヨーロッパ室内オーケストラの演奏による
モーツァルト交響曲第41番 “ジュピター”