2017年もいよいよ終盤も終盤。年末企画の最後を飾るのは、今年最初で最後のMikiki編集後記です。新スタッフの紹介と共に、スタッフがそれぞれ、今年掲載のオススメ記事もピックアップしながら2017年を振り返ってみました。
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田中亮太「とにかく編集部から人が消えていった2017年、いちばんの新参者だった僕と高見さんが最終的に残ったなんてね……」
高見香那「そうですねえ。一時は辛かった&さみしかった……」
田中「まあだけど、7月と9月には力強いニューカマーも入ってくれて」
高見「そうなんですよ! じゃあまずは2人を紹介しましょうか」
酒井優考「オッスオラ酒井! 7月からMikikiに入りました。元バンドマンで、以前は編集者や記者をしてました。ただの音楽好きです!」
田中「酒井さんと言えば、赤い公演のイメージが強いですね。確か入社初日にヴォーカルが脱退して仕事が全然手につかないという」
酒井「田中さん、赤い公演じゃない! 赤い公園ですよ!! 赤い公園の大ファンです」
田中「ほとんど聴いたことがないんですよね。どんなところが良いんですか?」
酒井「とにかく変態的なんですよ。田中さんはいろんな映画や音楽をオススメしてくれるのは嬉しいんですけど、こっちのオススメは聴いてくれないんだもんなー。赤い公園聴いてくれたら〈HIGH&LOW〉観ますよ!」
高見「で、10月からは最年少の天野さんが入って」
天野龍太郎「どうも、天野です。残念ながら元バンドマンで、ele-kingやThe Sign Magazineなんかで音楽ライターをしてました。ただの音楽好きです」
田中「天野くんが入ってきたときはブルったよ。なんせネットでの振舞いを見るかぎり、超尖った若者だと思ってたから」
高見「私も初めはいけすかない人だと勝手に思ってて(笑)。ムズカシイこと言われたりしたらどうしようって」
天野「パブリック・イメージがメチャクチャ悪いんですよ。性格が悪いのが原因なんですが(笑)」
田中「でも、2人はMikikiに入ってみてどうですか?」
酒井「毎日自分の知らない音楽をたくさん観聞きできて楽しいですよ!」
天野「音楽のことばかり考えていればいいので楽しいですね。西尾編集長も〈遊ぶように仕事をするのがいいんだ!〉とおっしゃっていましたし」
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高見「それで先日、この1年を振り返る今年11月末までのアクセス・ランキングを公開しまして」
田中「1位はレディオヘッドの旧作リイシューに合わせて若手ライター8人に各自ランキングを作ってもらったコラム記事。正直、ここまで読まれる記事になるとは思いませんでした(笑)」
酒井「確かに、レディオヘッドに対してこんな見方もあるのかーって思えたし、このコラムはおもしろかったです。ただひとつ不満があるとすれば、『The Bends』の評価が一様に低めだってことですね。“Creep”でスターダムにのし上がったレディオヘッドが次作で苦悩や本音を表現し(以下不満が続く)」
田中「そんなに言うんなら、酒井さんのランキングも教えてくださいよ」
酒井「1位『The Bends』。以上です」
天野「みんなレディオヘッドには一家言あるんですよね。書き手が思わず人生を重ねてしまったニュー・オーダーの記事もそんな感じで」
高見「↑の記事も好評で良かったです。あとやっぱり今年のMikikiと言えば、ライドやスロウダイヴの新作も出てメモリアル・イヤーとなったシューゲイザーを大特集した、黒田隆憲さん監修の〈シューゲイザー講座〉ですね(自分の靴を見つめながら)」
田中「年間ランキングに入らなかった記事では、CAR10やKONCOSのインタヴューは達成感あったなー。ってどちらも自分の原稿だけど……」
高見「田中さんはほんっと自分大好きですよね」
田中「痛いところつきますね」
高見「そういう自分の担当では、音楽サイドから映画『バンコクナイツ』の魅力を紐解いた大座談会記事、Nao Kawamuraさん×ものんくる吉田沙良さんという大注目シンガー対談、原稿校正していておもしろすぎてニヤニヤが止まらなかった久保憲司さんのスロッビング・グリッスル解説記事あたりはどれも意義のある内容になったかなと、印象深いです」
酒井「高見さんはいつもニヤニヤしてますよ」
高見「〈ニコニコ〉と言って」
天野「直近ではBullsxxtのインタヴュー記事が好評で嬉しかったです。彼らは演奏もうまいし、熱心なリスナーでもあるし、ラップのシーンとバンド・シーンとを繋ぐ重要なバンドに成長していく気がします」
酒井「自分はスプラトゥーン2のトピック記事かなあ。ただのツイートをまとめただけなんですが、Mikiki向けのアーティストが多数参加しているのに、あまりそこをフィーチャーした記事がなかったので。多くの方に読んでもらえたみたいで良かったです!」
田中「あと、ジュリアン・ベイカーの新作『Turn Out The Lights』について、映画ライターの大場正明さんに書いてもらったコラムも個人的には思い出深くて。書き手として尊敬している方だけど、まさか一緒にお仕事できるとは思っていなかったから、オファーを快諾いただけたことは嬉しかったなー。天野くんと作った〈インディー知られざる10曲〉はまったく読まれなかったけど企画自体はおもしろかったと思っていて……」
天野「あれは残念でしたね。他には、友人でもある木津毅さんに書いていただいたワンオートリックス・ポイント・ネヴァー×映画『グッド・タイム』の記事ももっと注目されても良かったかな……。でも、木津さん渾身の原稿で、映画批評と音楽批評とが交差したスリリングな記事なので、映画のソフト化やストリーミングがはじまったらぜひまた読んでもらえればと」
高見「私もアピールしておこう。自分で取材したメタル・バンド、CONCERTO MOONの島氏へのインタヴューももっと読んでほしいです。その筋の専門誌ではしない切り口というか、音楽家としての矜持や人生など普遍的な話をお訊きしながら、島さんの濃いキャラクターも浮き彫りにしているので、ファン以外の人にも楽しく読んでもらえるのでは」
酒井「さすがメタル愛好家だけありますね」
天野「オフィスでよくヘドバンしてますもんね」
田中「そんな感じで、ようやくこの4人体制でチーム感も出てきてるし、来年は今年以上に精進して、音楽メディアとしておもしろいことやっていきたいですね。ついこの間ですけど、シャムキャッツがサプライズ・リリースした配信シングル“このままがいいね”を田中と天野の2人で即日レヴューした記事も反響があったし、やっぱりおもしろい動きがあれば瞬時に飛び付いて発信できる媒体でありたいなーと」
天野「ですね。ジャーナリスティックな動きもしたいです。動画コンテンツを作ったりとか」
田中「あと、イヴェント! 今年は編集部がいろいろあって2月以降全然動けなかったけれど、来年はもういくつか予定していますよ。とりあえず、言えるものだと6月9日(土)に東京・下北沢THREEでミラーボールズ、見汐麻衣、Wanna-Gonnaを中心に。あと、初春にもフロアライヴの企画を考えています」
天野「ライヴも企画できる編集部。いいですね、先輩(自分の靴を見つめながら)」