初作はまだまだ試運転だったと思わせられる、手応え十分のセカンド・アルバム。ユーモラスなのに物悲しいデュエット・ソング“会って話そう”、真部脩一節が全開のキラー・チューン“充分未来”という冒頭の2曲は、ポップ職人としての確かな手腕を改めて証明する出色の仕上がりだ。〈未来=別れ〉というコンセプトを漂わせつつも、ラストの“モンド”から“オシャカ”の流れでささやかな希望を感じさせる構成もいい。
ポップマエストロ・真部脩一率いる集団行動の2作目。相対性理論から脈々と続く、シンプルだけど頭に残るフレーズのリフレインや、何かっぽいのに他の何でもない〈真部節〉としか言いようのないメロディー/コード進行は相変わらず健在。しかしその一方で、デュエットで男女のすれ違いを描いた“会って話そう”や突然ブレイクからのボサノヴァ調になる"フロンティア"、暗闇の中に一条の光が射すような“モンド”など、これまでの真部ワークスにはあまり見られなかった新たな試みが、耳触りの良い楽曲の裏にトゲのように仕込まれている。魔女を表現したというジャケットも相まって、それらのトゲから生まれた毒気が魔術のように聴き手を刺激する。2度にわたるバンドメンバーの募集に加え、活動内容に口出しすら可能なバンドサポーターの募集も始めた集団行動。今後このグループがどのようなアクションを起こすのかますます楽しみになるような作品だ。