天野「はっくしょん! 花粉がヤバいです。死ぬ。どうでもいいのですが、フランク・オーシャンの『Endless』のアナログやVHSが届きません(涙)。ファンはみんな怒っているみたいですよ。はい。どうでもいいですね。さて、2018年、はじまってまだ2か月ですがすでにニュースが盛り沢山……と先月に倣ってはじめたいところなのですが、何がありましたっけ? 記憶がありません」
高見「いっぱいあったと思いますけど、やっぱり平昌オリンピックじゃないですか? 自分は思いがけず宇野昌磨くんのことで頭がいっぱいになってしまってましたが……アイスダンスで坂本龍一メドレーが使用されたのも話題になってましたね」
酒井「あと赤い公園の……」
田中「それと音楽的なニュースで言えば 、〈フジロック〉のラインナップが発表されましたね。ヴァンパイア・ウィークエンド、N.E.R.D、アンダーソン・パーク、スーパーオーガニズム、MGMT……個人的にはホットハウス・フラワーズに上がりました! ボノが〈世界最高のホワイト・ソウル・シンガー〉と評したリアム・オ・メンリィ率いるアイリッシュ・ロック・バンドですよ!」
天野「(無視して)なんと言ってもケンドリック・ラマーですね! K. Dot!! 行くしかない!!!」
田中「実は2度目の〈フジロック〉なんですよね。グラミー授賞式でのパフォーマンスも圧巻でしたし、日本のリスナーにも名前が知れ渡った今年は盛り上がるんじゃないでしょうか」
天野「と、そんなケンドリック・ラマーの記事を作りました。大ヒット中のマーベル映画『ブラックパンサー』とケンドリックとのクロスオーヴァー作品、『Black Panther: The Album』について渡辺志保さんとDJ YANATAKEさんに語っていただいた記事です」
高見「〈フジロック〉は第2弾も発表されましたね。昨年作が個人的年間ベストのひとつだったダーティ・プロジェクターズや、小袋成彬、Suchmos、マック・デマルコ、サカナクションなど! 〈サマソニ〉といい、今年の夏フェスやばいです」
田中「2月は来日ラッシュでもありました。The xx、スーパーオーガニズム、ファーザー・ジョン・ミスティ、モグワイ、タイ・セガール……ジュリアン・ベイカーはインタヴューもできて」
天野「後半のタトゥーとかドーナツのくだりに彼女のパーソナリティーが表れていていいですよね。取材に立ち会いましたが、繊細な音楽とは対照的にチャーミングでチアフルな方でした。ライヴも本当に素晴らしかったです。そうそう。2月といえば、映画『リバーズ・エッジ』の主題歌を小沢健二が歌ったことも話題になりましたね。その“アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)”は酒井さんとのクロス・レヴューで取り上げました」
酒井「いやー最高っすね! 曲もだし、ジャケットもこれ何かの賞取るんじゃないですか? あとジャケと言えば赤い公え……」
天野「ですよね! 凝りに凝ったアートワークとデザインのシングルです。そして〈Mステ〉出演も果たしたフランツ・フェルディナンド大特集は、先月に引き続きです。第2回は亮太さんが書いたフランツとダンス・ミュージックとの蜜月について、第3回は本人たちのインタヴューです」
高見「そして、現行ジャズのビッグ・リリースも続きました。UKのゴーゴー・ペンギン。そして泣く子も黙るアメリカのクリス・デイヴ」
天野「ゴーゴー・ペンギンはOvallに、クリス・デイヴはWONKにと、それぞれ国内のミュージシャンに語っていただくという形式の記事です。Mikikiの十八番、ですね。形式が同じとはいっても、それぞれにユニークな、ミュージシャンならではの視点で語ってくださるので意義のある企画なんじゃないかなと感じています」
酒井「赤いこ……」
田中「同じ形式でTAMTAMのドラマー、高橋アフィさんにナイトメアズ・オン・ワックスの新作についても語ってもらったんですよ。アフィさんが、こちらの意図を200パー汲み取ってくれたおかげで、チャンスやヴィンス・ステイプルスなど同時代のブラック・ミュージックとの共通点にも触れられた、とても良い記事になりました!」
高見「なぜかリンクしている(意図したんですか?)写真も最高ですよね」
田中「その一方で、洋楽記事はコラムも充実していましたね。萩原麻理さんにはライ、井草七海さんにはヘイゼル・イングリッシュを紐解いてもらいました。語り形式もわかりやすくて良いんですけど、やっぱりおもしろい読み物、〈音楽について考え、それを言葉にする〉という営み自体が素晴らしいことなんだな、と思える書き記事も絶えず作っていきたいですね」
酒井「赤いこゥ……」
田中「あと、ポスト・クラシカルの両雄を採り上げた2記事――ニルス・フラームの新作についてのロング・インタヴューと2月9日に亡くなられたヨハン・ヨハンソンへの追悼コラムも多くの方に読まれました。どちらも音楽ライターの八木皓平さんが監修する連載〈Next For Classic〉で」
天野「いい連載ですよね。2つとも素晴らしい記事でした」
高見「また、ブリストルのエレクトロ・ロック・バンド、ラモナ・フラワーズへの2度目のインタヴューも敢行してきましたよ。今年リリース予定のニュー・アルバムについて、訊けるだけのことを訊いてきています。フェス映えするダイナミックなサウンドで去年〈フジロック〉に初出場していたけど、今年も来日期待してます」
天野「フェス映えといえば、FALSETTOSのパワフルなライヴは小箱にもフェスにも合いそう。ノイジーなポスト・パンク風の曲から〈モヤさま〉エンディング・テーマになっている“6”のようなポップな曲まで、振れ幅の大きい音楽性が持ち味のバンドです。ちなみに、ベースのIngelさんはブリーダーズの大ファン」
田中「ブリーダーズといえば、最近、約10年ぶりの新作『All Nerve』のリリースが話題になっていますね。実はMikikiでも大型企画が進行中なので、こちらも乞うご期待!」
酒井「赤い……」
田中「そして、ビートルズへの愛情を公言してやまない神戸発の4人組、The Songbardsも要チェック!」
田中「さまざまな時代/地域の音楽を咀嚼しながら、鮮やかで魔法めいたいポップ・サウンドを作り出すNEIL AND IRAIZA。彼らの音には、なぜ特別な魅力が宿っているかを、キャリアを振り返りながら、おふたりに語ってもらいましたよ!」
酒井「赤……」
天野「編集部の会議では〈Mikikiの表紙ってなんだろう?〉って話をしたりもしましたね。個人的に〈Mikiki 2月号〉の表紙はPeople In The Boxだったかなって思っています。それくらい新作『Kodomo Rengou』は最高の作品ですし、インタヴューもたくさんの人に読んでいただけました」
酒井「そんなピープルと対バンしたこともある赤い公……」
高見「最後に、4月21日(土)に開催するMikiki主催のライヴ・イヴェント〈Mikiki Pit Vol.3〉の情報が解禁になりました!」
田中「ピットはひさびさの開催ですが、KONCOS、Bullsxxt、JABBA DA FOOTBALL CLUB、Ms.Machineという気合いの入ったメンツになっています!」
天野「80人限定なので予約必須! すでに予約殺到!! ……とは言わないまでも、ちらほらとご予約いただいているようなので、Basement Barまでお早目のご予約をお願いいたします」
田中あかり(田中の愛息)「ぜったいきてほしいバブ!」
天野「あかりくん、しゃべれるようになったんですね……(驚)」
酒井「あかりくんもいいけど赤い方の話もさせて……(泣)」