感情の揺れと振れを表現したニュー・シングル!!!!
世に足りないものを埋めようとするオルタナティヴ精神を創作欲の源とし、ユーモアとウィットに富んだパフォーマーを送り出しているレーベル/マネージメント・カンパニー、コドモメンタルINC.。そのなかでも、いまもっとも勢いに乗ってると言われているのが、ぜんぶ君のせいだ。(以下、ぜん君。)だ。〈病みかわいい〉をヴィジュアル・コンセプトとするぜん君。、その楽曲はアイドルの世界では王道とも言われる激しいロック・サウンドが主になってはいるものの、自由度は高い。そして、落ち込んで引きこもることも〈病み〉、恋焦がれることも〈病み〉、何かに夢中になることも〈病み〉とするならば、人が誰しも味わうあらゆる感情の振れ、揺れの巧みに練り込まれている歌詞が、その世界観に豊かな表情を与えている。
如月愛海「曲がイイっていろんな方が言ってくださるので、楽曲に助けられているところは結構ありますね。曲を作っている方が3人(syva、ハヤシタカヒロ、水谷和樹)いるんですけど、その方々が私たちのことをよく知ってくださったうえで曲を作ってくれる。歌詞を書いてくださってるGESSHI類さんもそうで、現状のぜん君。に合う曲と歌詞があって、〈病みかわいい〉っていうコンセプトが私たちのキャラクターにも落とし込まれている、そう感じますね」
咎憐无「ぜん君。に入って、みんなと過ごして、いろんな感情を覚えたというか。普段生きてたら、そこまで悲しい/楽しいって表に出すこともないですけど、ここでは自分のなかの悲しい/楽しいのメーターが振り切れてる。この曲と歌詞のおかげで感情に沿って表情をコントロールできるようになりましたね。歌ってるときの顔はすっごくブサイクになりますけど(笑)」
楽曲を通じて感情の表も裏もさらけ出し、ときにはブサイクな顔になるぐらいの必死さを見せながら熱くパフォーマンスする彼女たちの姿は、なんとも愛おしい……という術中にはまってしまった患いさん(ぜん君。ファンの総称)たちがじわじわ増え続けるなか、このたび届けられたニュー・シングル“トナリコレアラタ”を紹介しないわけにはいかないだろう。
ましろ「主人公はひとりよがりの女の子といいますか、相手のためにって思いながら、結局自分のなかで終わらせちゃう可哀相な女の子」
如月「〈君の隣にいたい〉っていう気持ちを心の内で留めちゃう、言ってすらない、言えないんですよね。嫌われるのも怖いし、言える自信もない。それで、新しい自分に変わるために改革・変革しようとする。最初の〈君ニ死ス〉という歌詞は、君を殺すということではなく、君の隣にいたいからいまの自分を殺すっていう意味なんですね」
ジャケットをよく見ると、4人が4人のキャラ画に刺されてたり割られてたり撃たれてたり打たれてたり……。
一十三四「〈変わるから 不自由なんて嘆くよりは〉っていうフレーズが好きで。やっと変わろうって思えるようになったんだなって、歌の主人公への親心というか、愛しい気持ちが芽生えました」
咎憐无「歌割りがメンバーのキャラに合ってる感じがするんですよ。ひとりの女の子のお話なんだけど、フレーズひとつひとつはひとりひとりのキャラに合ってたりするので、ライヴですごく楽しめる曲だと思います」
カップリングには、ネット民などでよく見かける〈愚かな人〉へのシニカルを込めた中毒性のあるロック・ナンバー“う゛ぁいらるらびりんす”。
如月「SNSとかで何も知らないのに他人を馬鹿にしてる人を、私たちが馬鹿にしている曲でもあるし、でも、そういう人たちがいるから広まるっていうのもわかってるって……」
ましろ「いろいろ皮肉ってるんですけど、この4人が歌うとすごく楽しい感じが出るんです。複雑な曲とメロ、4人の声の個性があるから、あれこれ皮肉を言ってても、聴いていただくと楽しい。それってぜん君。のおもしろさだなって」
さらに、自分自身の恋心に病んでる女の子を歌った“ROMANTICISM”。こちらは煌びやかなエレポップ仕立て。
ましろ「妄想にすら至らない、好きになっていいのかすらわからない純粋な女の子の歌で、シンセとか同期がいっぱい入ってて、カワイイとこばかりを抽出した曲ができました」
咎憐无「メンヘラ感が強い曲ですね。勝手にその人のことを思って勝手に落ち込んで、近づけない状態がずっと続いてる……自分もコミュ障だったから、患いさんに対してそういうことも考えるんですよね。とはいっても歌詞は楽しいし、幸せな気持ちになれる音がいっぱい入ってる」
昨年末にアナウンスされた新メンバー・オーディションもまだ開催中で、その結果次第ではかなり大きな動きが予想されるこの後のぜん君。。とはいえ、まずは5月3日(木祝)に東京・TSUTAYA O-EASTで開催されるグループ史上最大規模のワンマン公演がハイライトということになるだろう。
一十三「これまで、傲らないように傲らないようにって進んできたんですけど、最近になって、〈傲らないように〉って思うことも高慢だなって思うようになって。たくさんの人に期待されてるんだったら、それに見合う努力をすればいいんじゃないかって。5月3日は会場をいっぱいにできるってみんな信じて、いまがんばってるところです!」