一家に一枚! あの噺もこの噺も収録の落語入門盤
2018年、このリリースを待ち望んでいた方は多いはず、いや、多いでしょう! 2011年から開催されている公演会〈渋谷に福来たる〉での名演をコンパイルした、『毎日新聞落語会名演集』が3作〈同時〉リリース! 感嘆詞が止まらなかったのは秘密です。今は亡き柳家喜多八師匠から、昨年25周年を迎えた桃月庵白酒師匠、心地良すぎる濁声が癖になる柳家権太楼師匠など、日本が誇る伝統芸能〈落語〉、2000年代を代表する噺家が大集結した、ファン必携の豪華盤。
第壱集は、噺家の腕がオチに光るグリム童話由来の改作「死神」(演:五街道雲助師匠)、5代目笑福亭松鶴が得意とした「くしゃみ講釈」(柳家権太楼師匠)、美味しそうなのに酔っ払い・野暮天を意味する俗語の「棒鱈」(柳家さん喬師匠)他、3枚組で全6席を収録。家族みんなで楽しめる大ヴォリューム盤!
第弐集には、昭和の落語界を代表する6代目三遊亭圓生師匠らも演じた「妾馬(めかうま・めかんま)」(春風亭一朝師匠)、様々な別題で上方・東京問わず多くの噺家に話される人情噺の大名作「子別れ」(橘家文蔵師匠)他、2枚組で全5席を収録。のんびり寛ぎながら耳を傾けたいですね……。
そして第参集は、艶笑落語から派生し、上方・東京で様々なバリエーションを持つ「短命」(古今亭菊之丞師匠)、人遣いの荒い隠居とお化けたちの掛け合いが味な「化物使い」(桃月庵白酒師匠)他、2枚組で全4席を収録。耳の肥えたコアなファンも唸るラインナップです。
いずれもかなり濃い名作がズラリと、全部で15席! 〈オムニバス〉とひとことで言うには勿体無さすぎる、まさにタイトル通りの〈名演集〉です。オススメは文蔵師匠の「子別れ」です。さすが人情噺を得意とする師匠に心を鷲掴みにされました……。そして一朝師匠の「妾馬」。あのオチが待ち遠しくてたまりません!
そしてなんといっても落語は寄席での〈生〉も醍醐味! 是非、お気に入りの噺を見つけて、〈体感〉しに、足を運んでみてくださいね!