デヴィッド・フィンチャー映画には欠かせない存在となったトレント&アッティカス製のスコア。過去の仕事と比べて音数を絞った同サントラは、ドローンやピアノの単音を徐々にずらしながら淡々と不安を煽っていく内容に。
スロッビング・グリッスルの元メンバーが率いたコイルとの連名によるこのEPは、コイル製のNINリミックスをまとめたもの。“Closer”など初期の代表曲が、ゴシックな雰囲気を湛えたミニマルな陰鬱アンビエントに生まれ変わっています。
アッティカスの加入のほか、デイヴ・グロールやデイヴ・ナヴァロもサポートするなどトピックの多い3部作の第1弾EP。シンプル&ヘヴィーなバンド・サウンドに振れていて、特に冒頭2曲のアップ・チューンは『Bad Witch』の出だしと通じるかも。
PSBのドキュメンタリー番組のサントラ。『Not The Actual Events』から一転して物悲しいピアノで全編を静かに覆い、ヴェトナム戦争末期の閉塞感を表現しています。NINの作品中では『Ghosts I–IV』に近い質感。
3部作の第2弾はニュー・オーダーへの憧れを込めたシンセウェイヴでキャッチーに始まるも、以降は難解な世界へズブズブ……。なかでも、OPN的なノイズ・コラージュのなかで独り言のようにボソボソ歌い続ける12分近いラスト曲がヤバイ。
トレント&アッティカスが監修し、自分たちのスコアにグスタヴォ・サンタオラージャやモグワイからの提供曲も交えたサントラ。自然の神秘や美しさを感じさせるヒーリング・ミュージック集で、この耳触りの優しさは過去のトレント作品にはありません。
EDM宣言するなど、意欲的な活動を続ける近年のトッド。彼の最新作に招かれたトレント&アッティカスは、得意のドローンを使ってデジタル社会の行く末を警告。ロビンやデイム・ファンク参加のパーティー・チューンの狭間で不気味な光を放っています。