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日本語、韓国語、英語……言語と音楽の関係性

――一方、RIRIさんは先ほどのコラボ曲が収録される『Summertime EP』を発表されます。先行配信された“luv luv feat. Junoflo”は韓国語ヴァージョンも同時にリリースされたのが意外で、日本人としては異例だなと感じたのですが。

RIRI「この曲は私もメロディーやビートの雰囲気がすごく気に入ってます。最初から自分たちで作ったというよりは、ビートメイカーのライアン・ヘムズワースさんがストックしてた曲で。

いちばん初め、ラッパーの方とコラボをするという話になったときに、私としては海外の女性ラッパーさんとはじめにやりたいなということをずっと前から思っていて、そのことをお伝えしたら、たまたまサウィーティーさんとさせていただく機会を作ってもらえたんです(“Patience feat. Saweetie”)。

それで、次は最近アメリカにも進出している韓国のJunoflo さんとコラボするというお話をいただいてご一緒しようという話になりました。

制作面だと、やっぱり韓国語ヴァージョンが印象に残ってますね。韓国語のところはレコーディング当日にスタジオまで先生が来てくれました。そこで30分くらい習ってから、録りました(笑)。最初は難しいかなと思ってたんですけど〈意外にできそうかも〉ってだんだんおもしろくなってきましたね。

それと、“HONEY”のリミックスを担当してくれたバニーさんは、ゼッドさんが紹介されてたのをきっかけに知りました。彼が作るサウンドもすごく好きですね。SNSでも少しやりとりさせて頂いてから、スタッフの方と相談してオファーさせてもらいました」

RIRIの『Summertime EP』収録曲“luv luv feat. Junoflo”

――ゼッドといえばRIRIさんの“Stay”の日本語カヴァーも記憶に新しいところですが、新作『Summertime EP』でもネリーとケリー・ローランドの“Dilemma”をJP THE WAVYさんとリメイクされています。日本語で歌うことについて考えていることはありますか?

RIRI「私は主に英語で歌うことが多いんですけど、日本語で歌うときも英語のサウンド的な作りを崩さないように気を付けてます。歌詞のスタイル的に日本語のほうが少ないので、意外とすぐ書けると思われがちなんですけど、実は全然そうじゃなくて。その範囲内で全体の歌詞をピンポイントに表さなくちゃいけないので、そこでいつも悩みますね。

でも、〈これだ!〉っていうものが浮かんだときは達成感があって気持ちいいんです。“Stay”のときはゼッドさんからのオファーで気持ちがアガってたこともあって、結構スラスラ書けて〈ヤバい! これ超いい!〉なんて自分で思っちゃいました(笑)」

RIRIの『Summertime EP』収録曲“Dilemma”

KEIJU「話が戻るかもしれませんが、韓国語ってすごく英語と馴染みがよくてずるいなって思うんです。ビートにねっとり付く感じというか。日本語みたいに浮かない。〈黒人と骨格的に近いのは韓国人だ〉っていうことも聞くし、Bボーイっぽい服も似合う気がする。全体的にヒップホップとの相性がいいんです。TVでもヒップホップがすごく取り上げられてるし。

あと、化粧をするのって普通のヒップホップの感覚にはないじゃないですか。そういうところも向こうの人はすごいなって思います。アイドルっぽいところから抜けてやってる人もいますし、作ってる作品もかっこいいものが多いと思います」

――そういう意味で、日本語はイマっぽい音楽やビートに合わない?

KEIJU「日本語はいい意味でも悪い意味でも、日本人に入りすぎてしまうところがあると思ってて。でも、ヒップホップってノリがすごく大事だから。例えば、英語のラップのストーリーテリングにはリズムがあって、縛られないところがあるんです。でも、日本語で物語にすると自由がない感じで、あんまりノリではやれない気がする。そこが難しさかもしれません」

RIRI「英語って言語的にメロディーと馴染みがいいというか、なめらかな音を出せて表現しやすいんです。それに比べて、日本語って一音一音が切れてるので、そこが難しいなあって。あとは発音。音の出し方もまったく違うので、そこは自分なりに日々研究しています。日本人として日本語を完璧にやめてしまうのは違うなと思うので」

 

RIRIとKEIJUが見据える未来

――最後に今後の活動について、展望や目標を教えてください。

KEIJU「自分が納得できるものに近い音楽を作りたいですね。こういうふうになりたい、というのはまだ決まってないというか、わからなくて。仲間もたくさんいるので、そういうやつらの道しるべじゃないですけど、少しでも道を切り開いていきたい。そのためにはまず、自分が満足しないとそうなれないと思うので。いい曲を作って、支えてくれる人に恩返しできるようにとは思っています」

RIRI「私はこれから夏フェスやツアーでも、さらに大きなステージでやることが目標です。そして、世界に出ていきたいという想いがずっとあるので。コラボレーションもそうなんですけど、そういう機会をたくさんキャッチして大きな夢にどんどん向かっていきたいですね」